学校教育における学校給食の重要性とその役割

文科省初等中等教育局健康教育・食育課
学校給食調査官 齊藤  るみ

学校給食は、学校給食法に基づき実施され、成長期にある児童生徒の心身の健全な発達のため、栄養のバランスの取れた豊かな食事を提供することにより、健康の増進、体位の向上を図ることに加え、食に関する指導を効果的に進めるための重要な教材として、給食の時間はもとより各教科や総合的な学習の時間、特別活動などにおいて活用することができる。

特に給食の時間では、準備から片付けの実践活動を通して、計画的・継続的な指導により、児童生徒に望ましい食習慣と食に関する実践力を身に付けさせることができる。

また、学校給食に地場産物を活用したり、郷土食や行事食を提供したりすることを通じ、地域の文化や伝統に対する理解と関心を深めるなど高い教育効果が期待できるものである。

学習指導要領において、特別活動の「学級活動」に「食育の観点を踏まえた学校給食と望ましい食習慣の形成」について示されている。給食の時間における指導は、標準授業時数に含まれないものの、教育課程上の学級活動と関連付けて行える重要な学校教育活動である。

年間を通じて行われる当番活動や、学校給食を教材として活用した食に関する指導により、児童生徒が望ましい食習慣を身に付けていけるよう、計画的かつ効果的な指導を行うことが大切である。

学習指導要領の総則では、学校における食育の推進が位置付けられており、児童生徒の発達の段階を考慮して、学校教育活動全体として効果的な取り組みが求められている。

栄養教諭等の専門性を生かすなど教師間の連携に努めると共に、地域の産物を学校給食に使用するなどの創意工夫を行いつつ、学校給食の教育的効果を引き出すような取り組みが重要とされている。

学校給食の栄養管理は、「学校給食実施基準」(学校給食法第8条)の中で示されている「学校給食摂取基準」に基づいて行われている。

学校給食摂取基準は、厚生労働省が策定した「日本人の食事摂取基準」を参考とし、その考え方を踏まえるとともに、児童生徒の健康の増進および食育の推進を図るために望ましい栄養量を算出したものである。

具体的には、家庭での食事で摂取量が不足していると推測される栄養素を、可能な範囲で学校給食により補うなどの工夫が行われている。

学校給食は、児童生徒が生涯にわたり健康な生活を送ることができるよう、栄養バランスのとれた食事のモデルとして、家庭における日常の食生活の指標や児童生徒の日常または将来の食事作りの指標となるものである。

栄養教諭は、学校給食摂取基準に基づいた適切な栄養管理と食に関する指導を行うことが期待される。

学校給食の衛生管理は、「学校給食衛生管理基準」(学校給食法第9条)に基づいて行われている。「学校給食を実施する義務教育諸学校の設置者は、学校給食衛生管理基準に照らして適切な衛生管理に努めるものとする」と示されている。

また「義務教育諸学校の校長又は共同調理場の長は、学校給食衛生管理基準に照らし、衛生管理上適正を欠く事項があると認めた場合には、遅滞なく、その改善のために必要な措置を講じ、又は当該措置を講ずることができないときは、当該義務教育諸学校若しくは共同調理場の設置者に対し、その旨を申し出るものとする」と示されている。

学校給食を実施する教育委員会などは、自らの責任において、必要に応じて、保健所の協力、助言および援助を受けつつ、HACCPの考え方に基づき、学校給食調理場並びに共同調理場の受配校の施設および設備、食品の取り扱い、調理作業、衛生管理体制などについて実態把握に努め、衛生管理上の問題がある場合には、学校医または学校薬剤師の協力を得て速やかに改善措置を図ることが求められている。学校給食調理場においても、学校給食衛生管理基準に基づいた作業や管理の推進が必要である。

学校における食育は、栄養教諭を中核としながら、学校全体で取り組むことが大切である。栄養教諭は、教育に関する資質と栄養に関する専門性を生かして、教職員や家庭・地域との連携を図りながら、食に関する指導と学校給食の管理を一体のものとして行うことにより、教育上の高い相乗効果をもたらすことが期待されている。

各学校においても、食に関する指導と学校給食の管理を学校の食育に位置付けて、組織で取り組むことが求められる。


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