全国各地で「海の安全教室」を開催 海の基礎知識や事故防止策など学ぶ

(公社)日本水難救済会

ボランティアによる沿岸の海難救助

(公社)日本水難救済会は、日本の沿岸海域における民間のボランティア救助員による捜索救助活動を支援している。

日本沿岸海域では、毎日のように船舶海難や海浜事故が発生しているが、海上保安庁や警察、消防などの公的な救難体制だけでは、これらの不測の事態に迅速・的確に捜索救助活動を行うことは困難な状況だという。

そこで公的な救難体制を補完するため、現在、日本の臨海道府県に40の地方水難救済会が設立されている。

和歌山紀の川河口にて火災漁船からの乗組員2人救助

傘下の救難所および支所が全国に約1300カ所設置され、所属する約5万1千人のボランティア救助員が、常日頃から海難救助訓練を行って救難技術を磨き、海上保安庁や警察、消防から船舶海難や海浜事故などへの出動要請を受けた際には、迅速に対応し、昼夜を問わず捜索救助にあたるという。

この海難救助活動において同会は1889年11月の設立以降130年の活動実績があり、昨年末までに約19万7千人の尊い命と約4万隻近い船舶を救助している。

海を安全に楽しむための知識・技能の普及

子供たちが海を知り、海に親しむことは重要ではあるが、2018年までの過去5年間における遊泳中の事故者数は1489人に上る。そのうち10代までの子供は3分の1以上を占めている。

小中学生、教師、保護者などを対象に海を安全に楽しむための基礎的な知識・技能を習得してもらい、水難救済ボランティア活動に対する理解と普及を図るため、全国各地の地方水難救済会において「海の安全教室」を開催している。

「海の安全教室」にて心肺蘇生法を学ぶ

国土交通省、海上保安庁および消防庁の後援の下、海上保安官や消防士、ライフセーバーが講師を務める。日本郵便(株)からの助成を受けて作成した「海の安全ハンドブック」をテキストとして活用しながら、海の基礎知識や危険生物を学習するとともに、海での事故防止策、救助方法、応急手当、心肺蘇生法などを学んでいる。昨年度は全国で3378人が参加した。

教室に参加した中学生からは次のような感想が寄せられている。

「海は基本的には楽しいものだけれど、危険なものであるのだと改めて感じました。でも、万が一、離岸流に流されてしまった場合には落ち着いて今日習ったことを実行したいです。また、心肺蘇生とAEDの使用方法を学んで、もしも誰かが近くで倒れてしまっていたら、意識を確認して周りの人と助け合って助けたいと思いました。勇気のいることかもしれないけれど、その勇気で大切な命が助かります。だから、少しでもその人の役に立ちたいです。今日、学んだことを家族に教えようと思います」

教室開催の成果が広がりを見せている。


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