【意見・体験発表】加茂暁星高等学校

混乱している高齢者への支援~穏やかな生活のための関わり~

看護専攻科1年 栃木 遥香

私の学校は、5年間で看護師を養成する5年一貫教育の学校です。看護師になるために学校で受ける授業の他に、沢山の臨地実習を経験します。臨地実習ではさまざまな年齢、疾患の方々に関わり、それぞれにあった援助を考えます。高校3年生の老年看護実習では、住み慣れた自宅から施設に移り住むことで大きな不安を抱え混乱をきたした高齢者と出会いました。

その方は80歳代の女性、Aさんです。Aさんは、入所してまだ1カ月が経過したばかりで、広い食堂の端のテーブルに、ポツンと一人で座り、ぬり絵をして過ごしていました。レクリエーションに誘っても、なかなか応じる様子がありませんでした。また、Aさんのところに昼食を運んだところ、Aさんは昼食を指さして「これは偽物よ。私のじゃない」と言いながらテーブルから体を遠ざけました。私は思ってもみないAさんの発言に驚くばかりでした。

次の日、私は昼食前にAさんのところに行き「もうすぐ12時ですよ」と声を掛けて、メニューだけでなく具材の名前や色、味を伝えました。すると、Aさんは昨日とは違う様子で食事を食べ始めました。

私にとって食事は、おいしく、楽しいものであり、心が豊かになる時間でありたいと思っているので、Aさんの「偽物」という一言は、食べ物に対する不信や不安の心を表現していて、ショックで悲しくなりました。でも、Aさんが楽しく、おいしそうに食事を摂る姿を見て、Aさんの不安を軽くするお手伝いが出来たと感じました。

私は、この老年看護実習で「周囲の人と楽しく関わってほしい。食事をおいしく楽しく食べてほしい」という願いを持って接し、Aさんの生活の変化を実感しました。人の生活に関わる看護者として、穏やかに毎日を過ごしていただきたいという願いを持って関わっていきたいと思います。

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