主体的に学び合う児童の育成 世の中の動きに興味関心を持つ

栃木県宇都宮市立豊郷中央小学校

子供たちが創るNIE

NIE活動の裾野を広げていく取り組み

児童が主体となり学校全体でNIE活動に取り組むことの有効性を日々感じている。新聞に親しみ継続的に読む習慣が身に付くと、児童の考える力が育まれ、自ら考え判断し表現することが可能になる。

本校は子供たちの手で創り上げるNIE活動を構想した。児童会活動を中心に、子供たちのアイデアを生かしながら活動を進め、主体的に学ぶ力の育成を図っている。

同時に学習重点目標を見据え、NIE全体計画や年間指導計画を作成し、本校の教育活動とNIE活動を関連付けながら学校教育目標ならびに学校ビジョンの実現を目指した。

全国学力・学習状況調査の結果から、本校では次の課題が見えてきた。複数の資料を関連付けて読み取る読解力や「問い」に対して自分の考えを構築する論理的な表現力である。

これらの対策の一つとして新聞を活用した学習活動の有効性に着目し、2017年度から2年間NIE実践校として取り組んできた。

特に地域の小中学校間で連携を図りながら新聞に親しみ、学年や発達段階に合わせ、系統的な指導体制を構築した。学校、家庭、地域を通じたNIE活動の裾野を広げていく取り組みで、子供たちが社会や地域とつながり、思考力・判断力・表現力を高めることができる環境づくりを進めてきた。

今年度は、全校体制におけるNIE活動のさらなる活性化を図り、教育課程にニュースタイムを位置付け、表現力の育成と合わせて対話を重視した。縦割り班活動にNIEを取り入れ、協働しながら新たな価値を生み出す力の育成に重点を置いた学び合いを推進している。

本と新聞をつなぐ取り組み―学校司書や図書委員会とのコラボ企画
(1)本と関連する新聞記事を紹介
本と関連する記事を紹介するコーナー

学校図書館コーナーの一つに、本と新聞の記事を合わせて紹介する次のような取り組みを行っている。

①ホタルの観察に関する記事の隣に4類「ホタル」の本を置き、記事と合わせて読める工夫をする。
②6年生総合的な学習の時間「十二歳の未来予想図」の単元に合わせ、キャリア教育の視点から、職業調べに活用できる本を置き、具体的な職種の新聞記事を紹介する。児童が幅広い分野の本に興味関心を持つきっかけとなった。
(2)新聞パズル

「新聞パズル」コーナーでは、季節や行事に関する新聞記事を特集して、関連記事を児童から募集した。活動では児童自ら進んで新聞を読みパズルをつなぎ合わせたいという思いを大切にしている。記事の内容や友達が選んだ記事を読むのを楽しみに学校図書館へ足を運ぶ児童も増えてきた。

大きなニュースは、日により異なる視点の関連記事が多く出る点に気付き、「見出し」を手掛かりに同じ出来事でも新聞によって表現が異なることなど、比較読みにつながった。

(3)学習・情報センター「学校図書館」

「学習・情報センター」としての学校図書館の充実に力を入れている。調べ学習や各教科・領域などでの情報収集・選択・活用能力の育成の場として幅広く活用されている。

新聞スクラップを作成し発表する

総合的な学習の時間では「豊央新聞タイム」の単元でSDGsの視点から児童が各自テーマを考え関心を持った記事をチームで収集し、課題追究する学習を行った。

学習過程では、学校図書館において、新聞や図書資料、インターネットなどさまざまな媒体を活用し、調べ学習を進めた。ゴールとして、学校司書と一緒に、調べて分かった内容を基にパネルディスカッション形式で討議し、考えを深めることができた。

社会問題や環境問題など児童が日頃関心を抱いている事柄に新聞記事を活用しながら「現状」を把握し、「解決策」を提案・提言する形でまとめることができた。

自分の考えを全校に発信する

現在、児童会や学校図書館を中心に、子供たちが積極的にNIE活動に取り組み、世の中の動きや学校での学び、日常生活とのつながりに興味関心を持てるようになった。

学校や社会をより良くするために自分の考えを友達に伝え、練り上げて全校に発信していく姿が見られる。今後もこれらの学びを積み重ね、より主体性を育み、社会の担い手としての主権者意識を高め、社会参画していく力を培うと確信している。

(教諭・堀内多恵/日本新聞協会栃木県NIEアドバイザー)


【トップに戻る】