学校図書館を身近なものに 「行ってみよう」と思わせる

熊本県美里町立中央小学校

本の魅力、読書の喜びを伝えたい

美しい里、美里町

美里町は熊本県の中央部にあり自然に囲まれた緑豊かな町。3333段におよぶ日本一の石段や国の重要文化財霊台橋など「石の文化」が栄えた地域である。

本校の児童数は190人で1学年1クラス、特別支援2クラスの計8クラス。「やさしく、かしこく、たくましく」を校訓に将来の美里町に貢献できる心身ともにたくましい児童の育成に取り組んでいる。

図書館をもっと身近に

昨年4月、本校に赴任したとき図書館は教室棟と離れた新校舎2階に位置していた。教室棟からの児童の利用動線や館内の採光度合いを考慮し、夏休みに新校舎1階へと移動。書架や資料の引っ越し作業はPTAや6年生の協力を得て行った。移動後は授業に活用できる図書館となるようリニューアルに着手した。具体的には、次のことを行った。

①新図書館は2教室を使用するため図書資料の配置を検討。読み物・文学に特化した資料を排架する
「図書館」と学習・情報センターに相当する参考資料をそろえた「情報館」に分けた。
②図書館にある絵本はE表記とし著者記号の五十音順に沿って色別排架とした。
③情報館には検索用PCとテレビを設置し、ICT教育との連携が図れるように整えた。
④情報館にはファイリングエリアを設け、パンフレットやカタログなどの小冊子を主題別に収集保管した。
⑤2016年の熊本地震に関連した資料をそろえ危機管理学習を行うコーナーを設置した。
そうだ、図書館へ行こう

学校図書館を身近なものと思わせるため、次のような取り組みを実施した。

①オリエンテーション
新年度のオリエンテーションで担任が本を紹介

新年度、全学年を対象にオリエンテーションを行う。学校司書より学習を進めていくに当たっての基本事項、図書館利用法を指導する。オリエンテーション時担任によるブックトークを行い、読書に対する熱い思いを児童へ伝え、読書意欲を引き出す。

②授業との連携

日常の学習の場として指導ができる図書館となるよう資料の提供に努めている。情報館では図書・ファイル資料、インターネットなど多様なメディアから児童の自発的・主体的な学習活動をサポートする。また学習後は提供資料の内容について検討し、学習活動の拠点になるよう蔵書の充実に努めている。

③こころのひまわりプロジェクト

熊本県教委が6月に実施している「こころの絆を深める月間」に伴った人権教育とコラボした読書活動。道徳科に関連する図書を100冊「こころ本」と名付け別置。こころ本を借りるとポイントがたまるスタンプカードを配布。児童が集めたスタンプカードが花びらの一部となり大きなひまわりが完成した。

④夏だ! 本だ! 図書館へGO

夏季長期休業中の読書啓発活動として、美里町中央公民館図書室と連携しスタンプラリーを開催した。昨年は学校図書館の移転と重なり開館日数は少なかったが多くの児童が双方の図書館を利用し、本に親しむことができた。

⑤よかばい新聞

「よかばい」とは熊本弁で「いいね」の意味。小学生新聞と地元紙を活用した新聞による情報提供を行っている。毎日給食時間の放送でニュースを紹介し、新聞に関心を持つよう児童へ伝えている。過去の新聞記事は主題別にファイリングし授業などで利活用できるよう整理している。

やる気! 元気! 図書委員会

本校の図書委員会は4年生以上12人で構成されている。本の魅力や読書の喜びを理解している図書委員は、児童に向けて積極的にイベントを企画し活動する。

「本とも大賞」はジャンル別に好きな本を選び投票する取り組みで、全学年を対象に募集を行った。上位入賞した本には随時予約が入り読書への関心の幅が広まった。

図書委員会が保育園に読み聞かせで訪問

「キンプリお話会」は図書委員のみで行う昼休みの読み聞かせ活動。読み手が男女別のキング部門、プリンセス部門に分かれお話会を開催している。紙芝居やマジックの披露、クイズ形式のアニマシオンなど多様な内容で児童に読書の魅力を伝えることができた。

「保育園への読書活動」は町内の3つの保育園に図書委員会が訪問し読み聞かせを行う取り組み。幼児に対する本の読み方や表現の仕方、接し方などを自ら考え工夫し、園児と読書交流を深めている。

さらに前進する図書館へ

学校図書館はあらゆる情報メディアを扱う施設として館内資料の充実を図らなければならない。資料を十分に活用した授業を行うためには教科に沿った参考図書リストが急務と考え、現在作成中である。学校の数だけ学校図書館がある、一つとして同じ学校図書館はない。読書でキラリと光る中央小を全職員協働で築いていきたい。

(学校司書・光井美樹)


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