「校長は学校図書館長」として リーダーシップで運営に変化

宮崎県都城市立五十市中学校

貸出冊数が年々伸びる

はじめに

本校は宮崎県都城市にある生徒数458人、学級数15学級(特別支援学級を含む)の中規模校である。宮崎県は「日本一の読書県」を目指した取り組みを推進している。具体策として中学校読書活動推進事業がある。中学校読書活動推進事業に関わり、本校の学校図書館で実践した内容を報告したい。

月1読書(Dタイム)の実施

玉利勇二校長が赴任してきた2018年度から、「月1読書」(Dタイム)を実施している。「全校一斉に50分間読書をする」という取り組みで、1学級は学校図書館で読み、他学級は学校図書館の本を借りて読むという仕組みになっている。

教務主任にお願いして、13学級分(特別支援学級は交流学級に入って)の時間を生み出してもらった(総合的な学習の時間や国語科の時間を利用)。その時間は学級担任も一緒に読書する。

そのおかげで学校図書館の貸出冊数は伸び、隙間時間に本を読む姿を見かけるようになった。

家族読書(家読)の実施

学校の読書活動と並行して「家族読書」にも取り組んだ。読書の必要性は感じてはいてもなかなか家庭で時間を設定するのは難しい。部活動などで忙しい時期を避け、夏休みと冬休みを利用して行った。

ルールは次の通りである。

①最低2回は挑戦する。
②できればテレビやラジオなどの音を消す。
③家族全員でそれぞれの本を読んでもよいし、中学生が読み聞かせをしてもよい。また、家族の誰かが、読み聞かせをしてもよい。

家庭の協力のおかげで、18年度も19年度も7割弱(67.9%)の家庭で取り組んでもらえた。感想を読むと好意的なものが多く、読書のよさは分かっていても、きっかけがないと読書しようとしない実態が浮き彫りになった。

委員会活動の活性化
図書館まつりの様子。図書館を利用する生徒も増えている

中学校読書活動推進事業のリーダー配置校となり、司書教諭が発令されたことで生徒たちとの交流が実現できた。学級担任をしていると自分の学級だけで精一杯であるが、学級担任の免除、授業時数の大幅削減により可能になったのだと思う。

生徒会の中に図書委員会が組織されており、各学級2人ずつ選出される。3年生には全校図書委員長・副委員長がおり、生徒会活動と連携して運営できる。

図書委員になる生徒は読書が好きなので、彼らと図書館運営を工夫するのはとても楽しいことであった。先進校で実践されている手法を次々に導入できた。

①ポイントカード制

借りた冊数をポイントにして可視化した。10ポイントたまると、ブックカバーやしおりと交換できるという仕組み。100冊以上借りる生徒が10人程度はいるといいと期待したが、結果は19人だった。可視化するだけでこんなに大きな変化があり驚いた。

②五十市中図書館キャラクター
図書館キャラクター「ラブックちゃん」

本校の図書館が生徒たちから遠く離れた場所にあるため、足を運んでもらうために取り組んだ。図書委員会が「キャラクター募集」を案内し、生徒たちからデザインを募集。

一定期間の後、全校図書委員長・副委員長、司書教諭で選んだ5点の作品から全校生徒に投票してもらい決定した。

応募された作品は31点。決定したキャラクターは「ラブックちゃん」である。

このキャラクターのオリジナルブックカバーを多読賞の副賞として30人の生徒に配った。今後さらに活用していきたい。

③19年度の貸出冊数を1万3500冊に設定

生徒総会の前に、全校図書委員長、副委員長と相談して決めた。前年度の貸出冊数が6117冊程度だったので、それを上回る数でさらに19年度から貸出冊数を1人「2冊」にしたということを根拠にした。2月28日までの貸出冊数は1万2218冊。目標達成はできなかったが学校図書館を利用する生徒は増えたといえる。

まとめ
職員研修にも力を入れている

本校勤務3年目であるが、1年目は諸事情により貸出冊数は2720冊。2年目は司書教諭となり図書館業務に力を入れられるようになり、貸出冊数は6117冊。19年度は1万2218冊。取り組んだだけの成果は十分に出ていると思う。

今後、この数字を維持していくためにも、まだまだ工夫が必要である。特に効果的だと思ったのは、職員研修である。

図書館にどんな本があり、各教科で使える資料がどの程度あるのかを、学校の職員に知ってもらうのが強みになると考える。

学校長のリーダーシップにより、学校図書館の運営も大きく変化することを実感した。

(司書教諭・原田理恵)


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