「さわやかだ」で食生活を改善 地場産物を「生きた教材」に

福島県新地町立新地小学校


2014、15年度に文科省「スーパー食育スクール事業」に新地町教育委員会が採択されたのをきっかけに、原発事故の影響による根強い風評被害の払拭や健康に関する課題の解決に向けて、町内小中学校が一丸となって取り組んだ。

18年度から3年間は、新地小学校が「つながる食育推進事業」の採択を受け「さ(魚)・わ(和食)・や(野菜)・か(海藻)・だ(だし、大豆・大豆製品)」(以下、『さわやかだ』と表記)を使った日本型食生活の推進による食生活の改善を目指して取り組んでいる(『さわやかだ』は、東京家政学院大学の原光彦教授(福島県出身医師)が小児肥満の食事指導に用いてきた「さわやかダイエット」を参照している)。

1、健康に良い食生活を定着させるための給食指導・食育の充実
(1)「生きた教材」となる給食献立の工夫
「給食の時間」の指導で地元の水揚げされたタコを紹介

『さわやかだ』の定着、嗜好改善を図るために、定期的に給食献立に取り入れ、給食の時間に各学級で継続的に指導を行った成果として、全児童の9割が「さわやかだ型食事が『好き・どちらかといえば好き』」と回答している。家庭でも週1回以上使用の割合が9割を超えた。

地場産物を活用するために、14年度に新地町学校給食安全管理体制を構築し、放射性物質事前検査・事後検査を継続して実施している。新しく導入する地元魚介類については、事前に検査結果を食育だよりで保護者に周知し、地場産物の安全・安心の確保に努めているので、クレームは1件も無く、家庭での地場産物活用も増加し、地元水産物活用も過半数を超えた。

(2)郷土料理継承の体験活動:「ほっきご飯を作って、食べよう」6年生総合的な学習の時間
総合的な学習の時間「郷土料理『ほっきご飯』づくり」に挑戦しよう

地元の魚市場関係者でお魚マイスターの資格を持つ方を講師に、地元で水揚げされたほっき貝の殻むき・下処理を体験した。その後、児童が下処理したほっき貝で「ほっき飯」を調理してもらい、実食した。

新鮮で身が大きく旨味豊富な地元のほっき貝を堪能したことで、地場産魚介類の良さを実感しながら郷土愛を深めることができた。

初体験の保護者もおり、郷土料理継承にもつながった。

(3)食育でプログラミング学習にチャレンジ:「オリジナル『さわやかだ』みそ汁をつくろう」5年生家庭科(間接体験したさわやかだみそ汁の調理は家庭で)
みそ汁の調理手順を考える食育プログラミング学習

調理実習後の発展的な内容として、地元の『さわやかだ』野菜類を使ったオリジナルみそ汁作りに挑戦した。

児童は、町教委とプログラミング業者(青森県タイムソフト社)が共同開発したシミュレーションソフトを活用し、具材の切り方や組み合わせ方、調理順序等を確認しながらオリジナルのみそ汁レシピを完成させることができた。完成したレシピをもとに家庭で調理し、さらに実践力を向上させることができた。学校給食でもそのみそ汁を取り入れた。

2、BDHQ(簡易型自記式食事歴法質問票)調査による成果

BDHQ調査結果から栄養状況を比較したところ、脂肪エネルギー比率が有意に低下(6月→31.1 ±5.0、12月→29.9 ±5.0 p<0.05)し、食物繊維摂取量(6月→10.8 ±3.4、12月→11.7 ±3.4 p<0・05)が有意に向上していた。『さわやかだ』の推進により家庭の食習慣の改善が図られ、野菜類の摂取量の増加と脂肪を含む食品の摂取量の抑制につながった。


【トップに戻る】