【水産】アカムツ資源の保全を目指して 新潟県立海洋高等学校

人工授精と稚魚期までの飼育に成功

本校は北信越地方で唯一の単科の水産・海洋系高等学校である。生徒は「水産科」として入学し、水産・海洋に関する基礎的な学習をした後、2年次から「水産資源科(資源育成コース・食品科学コース)」と、「海洋開発科(海洋技術コース、海洋創造コース)」の2学科(4コース)に分かれ、それぞれ地域や企業と連携した特色ある教育活動を実践している。

船上での人工授精

本校は2018年に近畿大学と高大連携協定を締結し、資源育成コースの生徒が「総合実習」や「課題研究」のテーマとして、アカムツの種苗生産に取り組んできた。

アカムツは別名の「ノドグロ」として有名で、大きなものは1キロ当たり1万円以上する高級魚である。本校が所在する新潟県では毎年、数十トンほど漁獲されているが、需要が高まっていることから、地元の漁師からも資源が先細る可能性があると懸念されている。生態が未解明な上、受精卵の入手や飼育が難しく、稚魚期までの生残率も約9%以下と低いのが現状である。

そこで、資源保全の一助とすべく、アカムツの人工授精と種苗生産に取り組むこととした。

地元糸魚川市の漁業者に協力してもらい、アカムツ刺網漁に同行して、船上での人工授精を試みた。18年は通常行われている明け方の操業で実施したが、成熟した良質卵を得ることができず、初年度は失敗に終わった。19年は特別に日没後の操業を実施してもらい、無事に良質卵を得ることができた。

全国では2例目、高校としては全国で初めてアカムツの人工授精と稚魚期までの飼育に成功した。上越沖におけるアカムツの産卵最盛期や産卵時間、飼育初期の問題点や成長速度など、今後種苗生産を行っていく上で重要となる基本的な知見を得た。

今後は安定的な稚魚生産を目指し、生産したアカムツの稚魚を地元の海に放流して、資源の保全に貢献したい。

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