スーパー・プロフェッショナル・ハイスクールの取り組み 新潟県立新潟工業高等学校

工業技術の向上に資する専門職業人材育成プログラムの開発

SPH担当教諭 丸山 祐作

1. はじめに

新潟県立新潟工業高等学校は、機械、電気、工業化学、土木、建築(建築コース)、建築(建築設備コース)の5学科6コースが設置されており、県内工業高校の中心校である。スペシャリストの養成校として企業の信頼も厚い。

2. SPH事業の内容

「工業技術の向上に資する専門職業人材育成プログラムの開発」について、二つの柱「地域連携の推進」による工業技術の向上と「グローバルな視点」を身に付けることについて学校全体で取り組んだ。

3. 主な実践内容
(1)地域連携の推進
①県内企業・大学・研究機関などと連携した学習プログラム

高度な技術的な視点から課題を解決する力を身に付けるため、各科の専門的な学習内容に関して、大学や企業等の講師による講義、技術指導、技能実践等を行った。

これらの活動を通して、課題の解決に向けて他科の学習内容と関連付けて考えられるようになり、疑問点は積極的に質問するなど、工業技術に対する関心・意欲が高まった。また、科を横断した技術指導により、他分野の技術をどのように仕事に生かせるかについて、考えられるようになった。

②異なる専門分野が協働する学習プログラム

さまざまな専門分野の技術を適切に活用して課題解決に向けて協働できる力を身に付けることを目標に、各科が連携した探究活動を行った。

エコハウスと呼ばれる再生可能エネルギーを活用した省エネルギー住宅を5学科6コースの代表生徒が課題を検討し、意見を伝え合ってアイデアを創出し、専門分野の技術を適切に活用し、全生徒で課題を解決した。

③共通教科・科目を含めた教科横断的な学習プログラム

共通教科・科目を含めた教科横断的な学習プログラムは、総合的な学習の時間として実施した。学年を三つのグループに分け、「対話・協働」を行う実技グループと、共通教科が中心となった「科学的根拠に基づいた思考力の育成」グループに分かれて取り組みを行った。

「対話・協働」の活動では、自らの専門分野の内容を他科の生徒に伝え合う取り組みを行った。自分自身が理解していないと適切に説明できないことから、事前に調査をして情報を精査し、準備や予習をするようになった。技術を伝える難しさが分かり、自ら進んで行動できるようになった。

共通教科が中心となった「科学的根拠に基づいた思考力の育成」では、全科合同のグループ構成で学習を行い、インプット型、アウトプット型の学習に取り組んだ。

生徒からは「科の専門分野について、それぞれ見方や考え方に特徴があることを知り、他科の技術や考え方に対する理解が深まった」という感想が得られた。

(2)グローバルな視点を身に付ける取り組み
①地域企業・人材による講義など

国際理解に関わる講義で海外の事情に関心をもち、留学生や海外の学校との交流活動での対話を通して、異文化に対する関心を高めることができた。また、企業による海外対応事例の講義により、日本の技術に誇りをもち、社会の発展に貢献する意思を持った。

②国際社会に貢献する学習プログラム
車いすを贈る海外ボランティア活動でスリランカに訪問

車いすを贈る海外ボランティア活動において、贈り先のスリランカを訪問し、現地の人と話し合うなどして積極的に交流することができた。直接感謝の気持ちを伝えられた経験から、社会貢献している実感とさらなる使命感が湧いた。

③研究成果を普及させていくための具体的方策

事業終了後も特徴的な取り組みの発信を継続する。県内工業高校における職員研修で取り組みを広く発信し、成果の共有をしていく。HP上で教材を公開していく。

4. 終わりに

今後は、この研究成果を、従来の本校の教育活動との連携を図りながら、さらに継続して研究を深め、地元地域の振興・発展に寄与できるグローバルな視点を持つ人材、技術者の育成に努めていきたい。

【トップに戻る】