学校図書館への理解を深めるために シンポ、研修会など積極的に開催 青森県教育委員会

はじめに

青森県の学校図書館の現状は、公表された直近の2016年度「学校図書館の現状に関する調査」(文科省)によると、公立学校における学校図書館図書標準を達成している学校数の割合は、小学校において45.8%、中学校において36.3%であった。

公立学校における学校司書の配置状況は、小学校において5.5%、中学校において3.8%、高校において16.1%であった。

学校司書の配置に関しては全国最下位であり、青森県教委では、このような状況からの改善を図るべく、特に17年度から学校図書館活用推進に向けた事業を展開してきた。

青森県の学校図書館活用推進の取り組み
▽「学校図書館シンポジウム」の開催

学校図書館シンポジウムでは授業改善なども論じ合った

青森県教委では、県の学校図書館の現状を踏まえ、学校図書館に対する理解と授業改善に資する学校図書館の活用などについて考える機会として、県内の学校図書館関係者(学校関係者、教育行政職員、公立図書館職員をはじめ、一般県民など)を対象に「学校図書館シンポジウム」を開催している。

当初は、本県の現状を伝えると共に、文科省「学校図書館等整備5か年計画」の地方財政措置による物的・人的配置への理解を得るため、学校図書館の有用性についての講演や事例発表、パネルトークなどの内容で開催したが、19年度からは、これまでの内容を継続しつつ、新学習指導要領で示された「主体的・対話的で深い学び」の視点による授業改善の実現に向けた学校図書館活用の取り組みについて、講演や事例発表などの内容で開催してきた。

年々内容も充実してきており、参加者からも高い評価を得ている。

▽学校図書館活用推進リーダーによる取り組みおよび検証授業の実施

青森県教委では、19年度からの2カ年、「学びの質を高める授業改善プロジェクト事業」として、学習指導要領に示されている「主体的・対話的で深い学び」の視点による授業改善に向けた重点事業に取り組んだ。その一環として、学校図書館を活用した授業改善に資するため、小中学校それぞれ3人ずつ、計6人を「学校図書館活用推進リーダー」として委嘱し、学校図書館を活用した授業改善に向けた研究や検証授業などに取り組んでもらった。

その成果などを「学校図書館シンポジウム」で発表してもらうと共に、昨年度末に完成・配布した冊子「学びの質を高める授業スタンダード(実践編)」に実践事例を掲載し、その成果を広く周知した。

▽学校図書館担当指導主事研修会の開催

学校図書館の役割などを学んだ学校図書館担当指導主事研修会

文科省委託事業「学校図書館の振興に向けた調査研究」事業を公益社団法人全国学校図書館協議会が受託、調査研究対象として青森県が指定されたので、年2回の「学校図書館担当指導主事研修会」を開催した。

第1回は、本県の学校図書館の現状改善に向けた方策や、新学習指導要領における学校図書館の役割、学校図書館利活用の事例などについて講演してもらった。その後、参加者による学校図書館支援のためのワークショップを行った。

第2回は、前述の学校図書館活用推進リーダーも加えて開催した。学校図書館を活用した授業づくりの工夫、ICT活用を含む読書環境整備、家庭・地域との連携、学校図書館における情報活用能力の育成などの内容で講演してもらった。その後、参加者による今後の学校図書館活用に向けた協議、情報交換を行った。

いずれの回も、新型コロナウイルス感染症の影響により、オンラインによる開催となった。

今後の取り組みについて

これまで各種事業を実施してきたが、本県における学校図書館への理解がまだまだ不十分であると痛感している。学校図書館シンポジウムにより、次第に学校図書館の有用性についての理解は広がってきたものの、今後もさまざまな場面を活用した事業を展開する必要がある。

そのような中、指導主事研修会を開催したことで、指導主事の理解が得られたことは大きい。学校への指導助言から学校の理解につながり、ひいては行政を動かし、学校図書館への物的・人的配置が充実していくことを期待している。

県教委としては、読書活動担当課や県立・公立図書館と連携した取り組みのほか、司書教諭、学校図書館担当者、学校司書などを対象とした研修会やネットワークづくりなどの取り組みにより、学校図書館関係者が一丸となって、本県の学校図書館の整備・充実に向けた取り組みを進めるよう支援していきたいと考えている。

(前青森県教育庁学校教育課小中学校指導グループ指導主事・舘山知昭)


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