校長のリーダーシップ軸に 組織づくりに成果上げる 東京都荒川区立汐入東小学校

はじめに

本校は、東京都荒川区の汐入地区の再開発による人口増に伴って、2010年4月に開校した新しい学校である。8階建ての校舎には、2階エントランスに面した4教室分の広さがある学校図書館、8階には開閉式屋根と可動床の設備があるプールなど、近代的な設備が整っている。

進級祝いでの読み聞かせの様子

児童数は21学級658人(21年4月1日現在)。16年度の930人をピークに、ここ数年は新入学児童が100人を割り、一時の児童数激増から減少傾向に転じている。

円滑な運営が図れる組織づくり

学校図書館の有効活用を図るために、校長としてできることには大きく次の4点があると考える。第一に円滑な運営が図れる組織づくり、第二に年間計画の作成、第三に予算の確保を含めた学校図書館の環境整備、第四に教職員の意識改革である。以下、四点について概要を述べていく。

4つの主な取り組み
▽取り組み1:学校図書館活用を図るための組織づくり

学校図書館運営を学校の中心的な施策としている

学校図書館運営を学校の中心的な施策と捉え、教職員の共通理解のもとに運営がなされるように組織づくりを行うことが大切である。本校では、図のように全教員が三部会と常設委員会のそれぞれ1つずつに所属し、各々を三つの組織に分けて教育活動を企画運営している。学校図書館委員会は、司書教諭と各学年・専科から1人ずつの教員および学校司書の計8人が所属する。委員長は司書教諭が務め、企画会および職員会議で学校図書館にかかる議案について提案を行う。

司書教諭と学校司書が連携するために荒川区では、司書教諭の授業軽減を独自に行っている。

▽取り組み2:年間計画の作成

次の4つの計画を年度当初に作成し、計画的に学校図書館の有効活用が図れるようにしている。

①学校図書館全体計画=教育活動全般にわたる学校図書館活用の目標や計画を示した。
②学校図書館運営計画=各月の運営計画を「図書館行事」「図書館運営」「教科との連携」「図書委員会」「図書館ボランティア」の5項目に分けて明記している。
③学校図書館を活用した情報教育=「情報の探し方」「情報活用の仕方」「情報のまとめ方・伝え方」の3項目に分け、各学年の発達段階に応じた具体的な方法を示している。
④図書館活用年間指導計画=教科などで学校図書館を活用できる単元や内容を示している。
▽取り組み3:学校図書館の環境整備

年間図書配当予算に加え、校長裁量で決済できる「学校パワーアップ事業」予算(180万円)のうち、半分以上を図書資料購入に充て、年間約1000冊の本を購入し、蔵書の充実を図っている(20年12月現在の蔵書数:2万654冊)。

本校は、創立当初から恵まれた図書館環境にあるが、前任校では空き教室を活用して、「読み物の部屋」「調べ学習の部屋」と目的に応じた図書館環境を整えたり、「学校全体が図書館」というコンセプトの下、校内の随所に図書コーナーを置いたりするなど、今あるものを上手に活用して図書館環境を整えてきた。保護者の図書ボランティアを活用した環境整備も有効である。

▽取り組み4:教員の意識改革

学校図書館を「読書センター」および「学習・情報センター」として捉え、日常的に教科などで利活用する意識を全教員がもてるようにするために、次のような取り組みを行っている。

①自己申告の当初面接で、全教員に学校図書館の具体的な活用を目標にする指導を行う。
②校内研究において、学校図書館やICTの活用を促し、研究授業の指導案には、「使用図書一覧」のページを入れている。前任校では、学校図書館を活用した授業改善を校内研究で取り上げ、研究発表会を開催して広くその成果を報告したこともあった。
③提出される週案簿に、学校図書館活用のヒントや具体案を記述し、活用推進を促している。
まとめ

学校図書館長としての校長のリーダーシップは学校図書館の有効活用に不可欠である。今後も現環境を生かし、核となる人材を育て、組織的・計画的な運営を通して、学校図書館の活性化を図っていきたい。

(校長・天野英幸)


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