本でつなぐ、人とつなぐ、学びをつなぐ 幼稚園、中学とも交流推進 群馬県甘楽町立福島小学校

学校司書が授業支援に参加

世界文化遺産の富岡製糸場がある富岡市に隣接している甘楽町にある本校は、8学級(児童数160人)の小規模校であるが司書教諭が発令されている。

令和になり、学校司書が町内にある3小学校1中学校の兼務として配置された。月に3日間の勤務ではあるが、学校図書館に学校司書がいて授業支援に参加することで子供たちへの読書指導や学びに広がりがみられるようになった。

司書教諭を中心に学校司書と図書部で協働した2020年度。コロナ禍での学校図書館の取り組みを読書センター中心に報告したい。

コロナ禍に「本の福袋」で対応
読書交流会を積極的に開く

1年前の4月、学校が休校になり公共図書館も休館になってしまった。そんな中、「子供たちに読書をしてほしい」という教師の思いを「本の福袋」という形で子供たちへ届けることができた。そこには学校の教職員の他に、甘楽町図書館のスタッフの協力があった。図書部が選んだ10冊(5冊×2回)の本が子供たちにとって新しいジャンルの本との出合いになったことが、児童、保護者、甘楽町図書館司書からの情報で分かった。そこで、20年度は本を媒介にして、人とつなげ学びへつなげる読書活動を意識して計画し実践した。

夏休み明けの学校司書来校日に、学校図書館長である学校長も参加して、全学年で「読書交流会」を少人数のグループで行った。そこで紹介した本を使って「お気に入りの一冊をあなたへ作文コンクール」用に相手を意識して書く活動につなげた。また、4年生の科学的な読み物をポップで紹介する読書単元にもつなげられた。

甘楽町図書館でポップ展示

秋には「日本絵本賞」のモニター校になり候補絵本30冊を読みポップを作る活動にも全校で参加した。ポップは校内掲示後、甘楽町図書館で掲示し、多くの人に見てもらえた。また、甘楽中学校美術部の協力も得て、一緒に参加し掲示してもらうという新たなつながりもできた。さらに、本校の図書委員会が甘楽郡内で一番離れている南牧村立南牧小学校の図書委員会とオンラインでつなぎ、30冊の中からお薦めの本を紹介し合うこともできた。

6年生は、読書単元の「ブックトークをしよう」と「効果的なスピーチをしよう」(話す・聞く)を合わせて、「卒業記念~ブックトークでプレゼント~」と題して取り組んだ。学校司書のブックトークの実践を聞き、ブックトークのイロハを学び、担当学年を決めて、各自がテーマを設定して3冊の本をつないでブックトークを行った。他学年担当の6年生はクラスメートのブックトークを全て聞き評価し、最後にベスト3を投票で決めた。児童はシナリオ作り、視線、本の見せ方などブックトークに工夫を凝らした。

読書単元を中心に読書活動を組み込む

休校による授業時数軽減のため教科学習計画を見直す必要がある中、このように読書単元を中心に読書活動を組み込んでいくことができたことは、新たな読書単元構想につながるのではないかと考えている。

1年生は、休校中の家庭での読書も加え、朝活動や読書の時間を中心に「読書記録」を1年間つけた。大型絵本の読み聞かせから始まり、計画的に平行読書やテーマ読書を行った。毎週水曜日の朝活動は、簡単な感想を書く時間を設けた。字の書けないときは担任と学校支援員が手伝い、自分で書けるようになってからは読んだら書く、読んでもらったら書く習慣が身に付き、年間平均500冊の記録をした。

1年間の読書記録の振り返りでは「最初は自分で読めなかったけど、読める本がたくさん増えてうれしい」など、各自が自分の言葉で振り返ることができるようになっていた。

3月には、「本のお店屋さん」を開き、休み時間に先生方にお客さんになってもらい借りて読んでもらった。「本のおかしやさん」は、お菓子の作り方やパテシェの制服や仕事などが書かれている本も置かれていた。また、教師には「どんな内容?」「お薦めはどれ?」など、積極的に問い掛けてほしいとお願いした。他の教師との交流をはじめ例年に比べると外部交流がほとんどなかったので、その点も意識して計画した。

また、1年生と福島幼稚園との交流もなくなっていたが、幼稚園から「年長クラスの園児に授業を見学させてほしい」という依頼があり、3月中旬に広い図書室での授業を計画した。児童には自分の読書記録の中から、園児にお薦めの本を2冊選び紹介することと、学校図書館を案内し好きな本を2冊選ばせ貸し出しの仕方を教えるという課題を与えた。

学校図書館教育計画を見直す

以上のことから、低学年の読書指導、読書習慣はとても大事であり、6年生のゴールを見据えた計画的・系統的な指導が、他教科同様必要であることを改めて感じ、学校図書館教育計画を見直している。

これからも、児童のための、教師のための、読書センター・学習センター・情報センターとしての機能をさらに充実させ、児童の学びを広げ、深める学校図書館となるよう学校長のもと全教職員で取り組んでいきたい。

(司書教諭・青木いず美)


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