学校給食の現状と課題について 適切な栄養摂取や食生活を支援

文科省初中局健康教育・食育課 学校給食調査官 齊藤 るみ

新型コロナウイルス感染症については、今なお警戒が必要な状況であり、給食などの食事を取る場面においても感染症予防対策が求められる。学校給食は、栄養バランスのとれた豊かな食事を提供することにより、健康の増進、体位の向上を図ることに加え、食に関する指導を効果的に進めるための重要な教材となる。

しかし、学校給食は、児童生徒の健やかな育ちを支える重要な機能である一方、感染のリスクが高い活動でもある。そのため、感染リスクにも配慮しつつ、学校給食施設や、栄養教諭、調理員などの人的資源を最大限活用することなどにより、いかに児童生徒の適切な栄養摂取や食生活を支援できるかということについて、積極的に検討することが望まれる。

学校給食を実施するに当たっては、学校給食衛生管理基準(学校給食法第9条)に基づいた調理作業や配食などを行うよう、改めて徹底することが大切である。また、児童生徒など全員の食事の前後の手洗いの徹底や、会食に当たっては、飛沫(ひまつ)を飛ばさないよう、例えば、机を向かい合わせにしない、大声での会話を控えるなどの対応も引き続き必要である。

学校給食における食中毒発生状況については、昨年度は4件の報告があった。そのうちの1件は3000人以上にわたる集団食中毒事案であり、学校設置者は、委託により学校給食を実施している。学校給食は、調理などの委託を行う場合であっても、学校設置者において、学校給食衛生管理基準に照らして適切な衛生管理を行うことが求められる。

調理などの委託を行う場合には、以下の点に留意する必要がある。

①あらかじめ委託契約書において、受託者が基づくべき法令や基準などを具体的に明記することなどにより、衛生管理の徹底を図る必要があること②学校給食調理場における衛生管理体制の在り方などについても検討し、委託契約書において明記することなどにより、日常的な衛生管理や必要な改善などを担保すること③学校設置者において運営改善のために必要な措置が取れるよう、あらかじめ委託契約書において、学校設置者が必要と認めた場合、資料の提出を求めることや立入検査ができることなど、必要な事項を規定しておくこと④契約締結後においても、学校設置者において、定期的に、学校給食調理場において契約に基づく管理運営がなされているかの実態把握や必要な改善措置を図るなど、学校設置者自らの責任において衛生管理の徹底を図る必要があること。

学校給食の栄養管理については、2020年1月21日に厚労省より「日本人の食事摂取基準(2020年版)が告示されたことを受け、学校給食実施基準の一部改正について、21年2月12日に告示され、21年4月1日から施行された。学校給食は、児童生徒が生涯にわたり健康な生活を送るのに不可欠な、栄養バランスのとれた食事のモデルとして、家庭における日常の食生活や、児童生徒の日常または将来の食事作りの指標となるものである。このため、日々の学校給食が日本における食事のモデルとしての教材となるよう、献立作成において配慮することが求められる。栄養教諭においては、適切な栄養管理および食に関する指導を行うことが期待される。

05年6月に食育基本法が制定され、食育が推進されてきたが、21年3月に、21年度からおおむね5年間を計画期間とする「第4次食育推進基本計画」が作成された。食育の推進に当たっての目標の一つに、学校給食における地場産物を活用した取り組みなどを増やすことが示されている。その中の目標値として、新たに、栄養教諭による地場産物に係る食に関する指導の平均取り組み回数を、19年度の月9.1回から、25年度までに月12回以上とすることを目指すことが追加された。

栄養教諭は、子供たちへの教育の観点から、学校給食に地場産物を使用し、食に関する指導の「生きた教材」として活用することにより、地域の自然、文化、産業などに関する理解を深めるとともに、生産者の努力や食に関する感謝の念を育むことが求められている。


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