資格・知識への挑戦と意欲 ジュニアマイスター顕彰制度

 公益社団法人全国工業高等学校長協会(理事長・片受健一神奈川県立神奈川工業高等学校長)が2001年から工業高校を対象に開始した「ジュニアマイスター顕彰制度」は、社会が求める専門的な資格・知識にチャレンジすることにより意欲と自信を持った生徒の育成、社会および大学や企業に向けた工業高校の評価の向上を狙って創設された。

 将来の仕事や学業に必要と考えられる国家職業資格や各種検定および各種コンテストの入賞実績を、ジュニアマイスター顕彰制度委員会が独自に調査し、点数化して全国工業高等学校長協会から各工業高校に紹介、200以上の資格・検定と約80のコンテストなどが登録されている。

 その中から、生徒が在学中に取得した職業資格や各検定の等級、参加したコンテストで得た点数の合計によって、20点以上は「ジュニアマイスターブロンズ」、30点以上は「ジュニアマイスターシルバー」、さらに45点以上の特に優れた生徒には「ジュニアマイスターゴールド」の称号が贈られる。

 顕彰された生徒数は、2020年度は8,496人が「ゴールド」「シルバー」に認定。この制度を活用して就職や進学に生かそうと、積極的に取り組む学校や生徒が増えている。また、18年度から「ジュニアマイスターブロンズ」(受付は前期申請と卒業学年の追加申請のみ)を新設した。20年度は年間で6924人が認定された。
大学側でも、この制度を入学などの判断材料の一つにしているところがある。

 中央大学理工学部精密機械工学科では、5段階方式による評定平均値が3.8かつ数学、物理の評定平均が4.0以上で、ジュニアマイスター顕彰制度への応募経験のある者を対象に、高大接続型自己推薦入学試験の出願資格としている。

 文教大学情報学部(情報システム学科・情報社会学科)では、シルバー以上取得者を対象とした総合型選抜(資格優先型)を設けている。

 帝京大学理工学部(航空宇宙工学科ヘリパイロットコース・バイオサイエンス学科を除く)では、ジュニアマイスター顕彰特別推薦奨学金制度(選考基準あり)を設けており、この推薦枠での入学者にはゴールド取得者30万円、シルバー取得者10万円の奨学金が支給される(2021年9月現在)。神戸芸術工科大学でも、資格推薦入試の特待生制度の中で「ジュニアマイスターゴールド特待生」「ジュニアマイスターシルバー特待生」「ジュニアマイスターブロンズ特待生」枠を設け、学費の一部免除を打ち出している。

 このように、この制度が大きな広がりを見せている中、同協会の鈴木賢二事務局長は、「20年度の年間認定者数の上位校(学校番号順)を表に示した。20年度は、コロナ禍で学校(学級)閉鎖や登校禁止で検定試験が受験できない状況が発生したり、前期技能検定が中止になったりしたことからゴールド・シルバーの認定数が前年より少ない状況であった。しかし、ブロンズはわずかに増加し、ポイントの高い資格に挑戦できなかった影響が見られた。コロナ禍にも関わらず生徒たちは自らの目標に合わせて資質・能力の向上のために不断の努力をし、ジュニアマイスター制度を有効活用している。この努力は、称賛に値するものである。21年度前期はワクチン接種とともに感染状況は落ち着くものと考えていたが拡大傾向となった。その状況下でも資格・検定などは、ほぼ通常通り実施され、高校生にとって検定合格・競技大会・コンテストや資格取得によりジュニアマイスターが認定されることで大きな自信となっている」と語っている。

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