【工業】「家庭用災害防止装置」の研究開発 自然災害など地域課題を解決する

北海道釧路工業高等学校

 本校は北海道東部、太平洋沿岸に位置する釧路市にある管内唯一の工業高校である。釧路市は漁業が盛んな港町として有名な都市だが、この他に製紙業、日本唯一の石炭採掘でも有名である。また酪農業、国立公園、自然遺産の釧路湿原に隣接しているため、観光業も盛んである。しかし、それとは逆に、企業の撤退、若年層の流出に伴う人口減少、そして地震、津波の発生多発地域のため、大規模災害の地域課題を抱えている。

研究開発の成果である「家庭用災害防止装置」

 特に地震災害については、今後30年以内に震度6を超える巨大地震の発生確率が約40%と試算されており、地域としても地震災害への対策を行っている。

 この現状を捉え、ものづくりを通して、主体性や思考力を育み、釧路市の未来を考えられる地域の担い手を育成することを目的とし、地域課題をテーマとした研究開発を実践した。

 本研究は地震によって発生する通電火災を防止することを目的としている。通電火災は地震による一時的な停電からの復旧後に起こるとされており、家屋の倒壊によって破壊された家電やストーブに燃えやすいものが接触し、復旧後の通電によって火災が発生してしまう災害である。

 この通電火災を防止するために、根本であるブレーカーを自動遮断させる方法として、揺れによって遮断する機能の他に、Wi-FiやBluetoothなどの通信機能を活用し、スマートフォン操作によって外部から遮断する方法や、音声認識によって遮断する方法を組み込んだ装置を考えた。

 さらに、装置には近年の温暖化による熱中症を防止するため、室内が高温になると、熱中症発生の危険を知らせるプッシュ通知を行う機能も付け加え、装置の名称を「家庭用災害防止装置」として、1年間の研究開発を行い完成させることができた。

 研究開発を通して、生徒は課題に挑戦する主体性や難しい課題を学んだ知識や技術で解決する思考力、そして地元である釧路市の課題を考えることで、地域の担い手としての自覚や人間力を身に付けることができたと考察する。

 これからも釧路地域にある工業高校として、ものづくりの視点から地域を考え、地域に貢献できる技術者の育成に努めたい。

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