デジタルとアナログを融合 熊本県高森町立高森中央小学校

それぞれの良さを生かした図書活動 さまざまなメディアに触れる

1.はじめに

 本町は2012年度以降、電子黒板をはじめとしたICT機器の整備を順次行い、学習環境を整えてきた。19年には校内全域のWi-Fi環境、全児童に1人1 台のタブレット端末の整備ができている。

 校内にある図書館は、データベース化が行われており、委員会の児童を中心に貸し借りの管理が行われ、休み時間には多くの児童が訪れる場所である。また、19年には「高森町タブレット図書館」として、ウェブ上での図書の貸し借り、閲覧サービスを開始した。学校図書館とICTの良さを生かしながら、児童が書籍を中心にさまざまなメディアに触れることができるように取り組みを行っている。

2.学校図書館の活用

 図書館の書籍の管理は図書担当の職員と図書委員会の児童が中心となって行っている。その中で、学校図書の利用を促進するために、書籍紹介のPOP作成、貸し借り業務など児童主体の取り組みが行われている。学校図書館のみの活用にとどまるのでなく、専門家との遠隔接続やICTの活用など、さまざまなメディアを活用する基盤になっている。

▽授業実践例(4年・国語「新聞を作ろう」)

[単元のねらい]

 新聞の特徴について理解し、その特徴を意識して実際に新聞づくりを行う単元である。その中で、専門家(新聞社)との遠隔接続や学校図書、新聞等の資料活用により、専門的な知識や技能を身に付け、さまざまな情報を選択、活用しながら新聞づくりが行えるようにすることを目指した。

[指導計画]

第1次(1時間)

  • 「高森新聞社になり、地域の人に情報を発信しよう」を言語活動に設定し、学習計画を立てる。

第2次(10時間)

  • 新聞社の方との遠隔接続や書籍など、さまざまな情報から新聞作成の技能を学び、新聞を作成する。

第3次(3時間)

  • お互いの新聞を読み合ったり、新聞社の方からのコメントをもとにしたりすることで修正を行う。

第4次(1時間)

  • 単元の振り返りを行う。

3.タブレット図書館の活用

 地元の新聞社と連携をしてタブレット図書館のサービスを開始した。本サービスの特徴は、児童が学校用タブレットを活用して、いつでも、どこでも、電子書籍の閲覧ができることである。朝の時間であったり、休み時間であったり、図書館に行く時間がないときにも、自分で書籍を検索し閲覧する姿が見られた。また、児童が「いいねボタン」でお薦めの書籍を紹介することができるなど、児童同士のやりとりの中から、読書活動の推進に取り組むことができた。

 授業の中では、調べ学習や並行読書で利用されることが多い。複数の児童が同じ書籍を借りることができる、いつでも、どこでも書籍を閲覧することができるなど、デジタルの長所を生かすことで、授業の中でも効果的に図書の活用を行うことができた。

▽授業実践例(5年・国語 「この本おすすめします」)

[単元のねらい]

 相手や目的を意識して、内容や言葉を吟味することをねらいとして、下級生に読んでほしい本を選び、それを推薦する文章を書く活動を行った。タブレット図書館に収録された書籍を中心に推薦を行うことで、読書量を増やし、下級生の読書の機会を増やすことを目的とした。

[指導計画]

第1次(1時間)

  • 自分が好きだった本や下級生に薦めたい本を出し合うことで、本の推薦について関心を持ち、学習課題を設定する。
  • 単元の学習計画を立て、タブレット図書館を活用して推薦する本を考える。

第2次(5時間)

  • 相手や目的を意識して推薦する本を選び、内容や理由を書き出す。
  • 作例から、推薦文の構成を捉え、自分の文章の構成を考える。
  • 作例から、書き方の工夫を見つけ、それを生かして下書きをまとめる。
  • グループで下書きを読み、助言し合い、読みやすいように工夫する。
  • 本を紹介するプレゼンテーションを作成する。

第3次(1時間)

  • プレゼンテーションを示し、本を紹介する。

4.おわりに

 学校図書館、タブレット図書館、ICTなどさまざまなメディアを複合、活用しながら取り組みを行ってきた。取り組みを続ける中で、学習センターの利用数が増加したり、「こんな本が読みたい」などの要望も出てきたりするようになった。児童たちはこれからさまざまなメディアに関わるはずである。これからも児童が自ら選択し、活用する場を設けていくことで実践の幅を広げていきたい。

(熊本県高森町立高森中央小学校教諭・小林翼)

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