教員採用試験 落ちた場合の進路は?

大学新卒者の教員採用試験の競争倍率は、3倍以上(※)。「一発合格」を勝ち取れる人はごく一握りしかいません。

「落ちてしまったけど、先生になる夢はあきらめたくない!次こそは合格するんだ」という思いで再チャレンジに臨む人が選ぶ進路をご紹介します。

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「公立と私立、教員が働きやすいのはどっち?」――。2019年6月に教育新聞で行った読者投票によると、「私立」と回答した人が40%、「公立」と回答した人が30%、「どちらも働きにくい」が24%、「どちらも働きやすい」が6%となっており、さまざまな見解があることが分かった。この結果を受け、主に教員志望者や若手教員に向け、職場として見た公立学校と私立学校の違いについて、データやさまざまな証言から2回に分けて考察したい。

  • 制度が違う「臨時的任用教員」と「非常勤講師」

臨時的任用教員は、正規教員と何ら変わらない勤務形態で、職務に従事します。小学校では担任を持つことも多く、中学校では部活動顧問を任されることもあります。校務分掌も任され、職員会議をはじめとする諸会議にも参加します。給料も同年齢の正規教員と遜色なく、ボーナスも支給されます。職務上の違いは、雇用期間が区切られていること、初任者研修に参加しないことくらいです。

一方の非常勤講師は、授業のみを担当し、担任や部活動顧問を持つことは原則としてありません。月額制の給料ではなく、担当した授業数に基づく報酬が支払われますが、複数校を掛け持ちしても、総額は臨時的任用教員ほどにはなりません。単身で生計を立てるのは大変ですが、兼業が認められているので、他に塾講師やアルバイトなどをすることは可能です。

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  • 再チャレンジに臨む環境も変わってくる

臨時的任用教員として着任すれば、正規教員とほぼ同じくらいの量の仕事を任せられます。4月1日から1次試験まで、試験対策の時間はほとんど取れません。その代わりに、集中して長い時間を子どもたちや同僚と過ごすことができるので、その経験を論文や面接試験に生かすことができます。着任前の3月末までに、可能な限り試験対策を積み重ねておくと良いでしょう。

一方で非常勤講師は、時間に余裕があるので試験対策に集中できます。その代わり臨時的任用教員に比べ、現場にいる経験だけでなく収入も少なくなり、アルバイト等の時間も必要になるかもしれません。非常勤講師は計画的な対策を求められるといえます。

これらの点に加え、1次試験・2次試験の内容や必要な対策なども分析して、ご自身に合った道を決めてください。

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「講師って忙しいんじゃないか?」「次こそは必ず合格したい、コツが知りたい!」という方に、再挑戦のポイントをご紹介します。

  • 臨時的任用教員・非常勤講師になる方法

自治体によって異なりますので、一般的な流れをご紹介します。

1. 教育委員会のホームページ等を通じて「登録」を行い、必要書類等を記入して提出します。
2. 提出された書類は教育委員会で管理・保管され、学校から要請があった際に、校種・教科等に応じて送付されます。
3. 学校は、教育委員会から送付された書類を見て、適任と判断したら当人に連絡を入れます。
4. 校長や教育委員会担当者による採用選考(通常は面接)が行われます。
5. 資質・能力において十分と判断されれば、晴れて任用となります。

自治体によっては、教員採用試験の出願書類に、講師登録可否の記入欄を設けているケースもあります。

ここで「登録可」と記入しておけば、合格に至らなかった際には自動的に講師登録がなされることとなります。

また、東京都については、「期限付任用候補者」を公表し、ここから順々に声をかけていくシステムを採用しています。

登録はあくまで登録にすぎず、必ず任用に至るとは限りませんので、注意が必要です。

2019年度の教員採用選考の結果が、各自治体から公表される時期になった。2020年度も、自治体の倍率は加速度的に低下していくことが予測される。これらを加味した上で次年度の再挑戦をしていくにあたり、どのように取り組めばよいのだろうか。

※2020年実施教員採用試験の合格率。学割購読者から抽出した519名を対象にしたアンケート結果(回収率23.3%)