ESDの教育効果で報告書 岡山大学がまとめる

評価の在り方など追究

s20160922_03ESDの教育効果、評価などが課題となるか中、岡山大学が文科省から受託して実施した「ESDの教育効果(評価)に関する調査研究」が報告書としてまとめられ、注目を集めている。ESDを推進する上で、貴重な研究成果となりそうだ。

この研究は、平成27年度文科省「日本/ユネスコパートナーシップ事業」として、同学に依頼したもの。

国連ESDの10年が2014年に終了し、ESDは次のステップに進んでいるが、ESDにはどのような教育効果があるのか、この成果を示すことが一つのポイントとなっている。

この研究の目的は、(1)各個人に今後求められる資質・能力の向上にESDがどのように貢献するのかを理論的・実証的に明らかにするため、ESDの評価の枠組みを提案すること(2)国内のユネスコスクール等ESDを実践してきた学校の取り組みが、児童生徒、教員、地域などにもたらした効果とその評価手法の事例を収集すること——の2点。ユネスコスクールの実践事例の収集とその分析などを軸に研究を進めた。

報告書の主な目次は、「ESDの教育効果(評価)に関する調査研究の成果と課題」「国内におけるESD評価研究の動向」「学校におけるESDで習得される知識・理解の評価の必要性」「ESDの視点に立った学習の指導と評価—国立教育政策研究所最終報告を踏まえて」「『学び』の一環としての『評価』—協働型で行うプログラム評価の可能性」「形成的アセスメントに基づいたESD評価の枠組み」「ESDの教育効果(評価)の現状と展望—国立教育政策研究所研究指定校を中心に」「気仙沼市の実践を踏まえたESDの教育評価の枠組み」「ユネスコスクールにおけるESDの学習評価の取り組み—北陸を中心として」「総合的な学習と教科をつなぐESDの実践と評価—広島県福山市立駅家西小学校の事例」——など、学校現場の事例も多く紹介されている。

研究代表の川田力岡山大学教授は、「ESDは状況依存的学び、文脈的学びということができ、包括的・プログラム的な評価枠組みが適していると考えることができる。また、は包括的・総合的な学びであるため、汎用的到達目標を設定することが困難と考えられるこ。このことを踏まえると、目標への到達度を測定して評価を行うという総括的評価の実施は困難であり、ESDには参加型の形成的評価が適しているといえる」などとまとめている。

報告書は、同大学のサイト(http://esd.okayama-u.ac.jp/promotion_center/outcomes/)で閲覧可能。