(鉄筆)子どもの貧困と教育格差…

子どもの貧困と教育格差の問題は、世界的な規模で広がり、その負の連鎖を断ち切れない状況にある。ユニセフが2012年にまとめた報告書では、日本の子ども(17歳以下)の相対的貧困率は14・9%(約7人に1人)で、先進35カ国中9番目に高い比率だった。

そんな状況の中で日本財団は12月3日、貧困状態(生活保護世帯、児童養護施設、ひとり親家庭)にある子ども(15歳約18万人)の教育支援をしなかった場合、個人の所得が減る一方で、国の財政負担が増えることから、経済や国の与えるマイナスの影響、すなわち社会的損失は4兆円(経済的損失2・9兆円、財政的損失1・1兆円)に上るという推計レポートを発表した。

この推計を基に、同財団では、子どもの貧困対策を慈善事業ではなく経済対策として捉え、教育・所得格差の解消に有効な投資対効果の高い施策が求められると提案した。

子どもの貧困問題は、個人としてよりも、社会や経済全体に影響がある問題としてとらえなければならない。それが立証されたわけで、国や自治体が真剣に対応すべき時機に来たということである。

そんな折、「政府は子どもの貧困対策を強化するため、自治体や経済界などの代表による会合を開き、新たに創設した基金への寄付を広く呼びかけ、集まった寄付金を経済的に厳しい状況にある家庭の子どもへの教育支援の拡充などに充てることを確認した」(NHKのNEWSWEBから)とのニュースに接した。貧困の連鎖を断ち切るためのさらなる教育投資をと、強く訴えたい。