(鉄筆)今年の教育、特に初等…

今年の教育、特に初等中等教育の動きを振り返ると、学校とそれを支える教職員の問題が、さまざまに問われた年だといえよう。

中教審教育課程企画特別部会が8月26日に出した「論点整理」で、「『学校』の意義について今一度捉え直す必要がある」とした上で、「子どもたちに新しい時代を切り拓いていくために必要な資質・能力を育むためには、学校が社会や世界と接点を持ちつつ、多様な人々とつながりを保ちながら学ぶことのできる、開かれた環境となることが不可欠」と主張している。

言い換えれば、これからの学校教育は、従来からの「学力の向上」とともに、多様性に配慮しつつ、「グローバルな世界で様々なタイプの人材が活躍できる教育」の推進を宣言したともいえる。高等教育だけでなく、初中教育にまで広げようとの考え方である。

ただ、それを支える教職員の体制が確立していないのが問題だろう。最大のネックは、財政難という理由で教職員定数の削減を目論んでいる財務省の厚いカベに阻まれているところである。

その意味でも、中教審が10月28日に出した「教職員定数に関する緊急提言」は、近来にない挑戦的な内容だ。「財務省の考え方は暴論」と強く批判、「教職員定数の機械的な削減ではなく、多様な教育課題や地域のニーズに応じた確固たる教育活動を行うために必要な教職員定数を戦略的に充実・確保すべきだ」と迫っている。一億総活躍社会を実現するためにも、学校に新しい役割を期待するのは、必須の条件だろう。文科省の本気度が試される。