(鉄筆)月刊雑誌「新潮45」の…

月刊雑誌「新潮45」の1月号に「日本以外全部沈没」と題する、いささか大仰なタイトルではあるが、注目すべき特集が組まれている。編集部によると、この表題は、作家筒井康隆の短編タイトルを拝借したもの。その元になったのは、小松左京(故人)の有名なSF長編小説『日本沈没』(73年刊)である。

特集は、世界で発生しているテロの脅威、終わらない紛争、覇権主義中国の浸食、環境破壊など、『日本沈没』から40年以上を経て現出している「全世界沈没」の惨状について、学者、評論家、記者ら8人が鋭く切り込んでいく。

この中で感銘を受けたのは、米国カリフォルニア州の弁護士でタレントのケント・ギルバートさんによる「だから日本は素晴らしい」との論評。長年、日本に住んでいる親日派で「日本人の良さを挙げたらきりがない。日本の中で最大の魅力は『日本人』だ」と答えるほどのほれ込みようだ。

その日本文化論が興味深い。「日本人の素晴らしさは、外国からいいものをどんどん取り入れる進取の精神に富むことで、英語でいえば、〝adopt, adapt and adept〟が上手だとか。外国の文化をadopt(採用)し、日本に合うようにadapt(適合)させ、それを器用に実行していってadept(熟練)させる。

この日本文化の特質である3要素が、行き詰まりをみせている世界を救う手だてにもなるというのが、同氏の見解だ。それに応えるには、日本人自身がこの3要素の素晴らしさを自覚してしっかりと捉え、教育の力によって、それらにさらに磨きをかけることが必要であろう。

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