(鉄筆)わが国では現在「親の経済的貧困による…

わが国では現在「親の経済的貧困による子どもの教育格差」が、大きな問題になっている。親世代の貧困が子どもから学習の機会やさまざまな体験活動の機会を奪うため、低学力・低学歴に陥り、結果的に所得の低い職業につかざるを得なくなるというのだ。

日本以上に「経済格差=教育格差」の〝負の連鎖〟が深刻なのは、アメリカだ。その真相を生々しく書き下ろした『教育超格差大国 アメリカ』(津山恵子著、扶桑社新書)が話題を呼んでいる。著者は、ニューヨークを拠点に世界で活躍するジャーナリスト。公教育を中心に取材活動を進めているうちに、教育格差、中でも著しい人種間格差の大きさに驚き、関係者の証言を基に、その実態を赤裸々に伝えている。

一例として挙げるのは、ニューヨーク市の高校卒業率の格差だ。アジア系と白人が80%台なのに対し、アフリカ系、ヒスパニック系は60%台と大きな開きをみせている。この著しい差は、低所得・貧困に起因している。

「アメリカンドリームの国は、今は努力だけでは何も生まれない。親が貧しければ〝負の連鎖〟が幼児の頃からつきまとう。貧富の差は、拡大するばかり」と絶望視する。

この現実を踏まえ、著者は「日本では、2013年に厚労省が発表した調査『子どもの(相対的)貧困率』が過去最悪の16.3%で、6人に1人の約325万人に達した。教育の格差によって知性や常識、意識に至るまでの悪影響は、日米両国でも阻止しなければならない。すべての子どもに平等な教育を」と訴える。同感である。

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