(鉄筆)東日本大震災で親を失った子どもたち…

東日本大震災で親を失った子どもたちなどの学習意欲を高めようと、小・中学生の遺児を海外に短期留学させる新たな事業が始まり、留学を体験した子どもたちの報告会が仙台市で開かれました――。4月9日放送のNHK総合テレビのニュースに接して、「素晴らしい企画だ」と、たいへん感心した。

主催したのは、民間の非営利団体「あしなが育英会」(玉井義臣会長)。30年ほど前、交通遺児に始まり、災害遺児、病気遺児を対象にした奨学金制度を創設。交通事故や自然災害、病気で親を失った高校生が大学などへの進学を希望する場合、無利子で奨学金の貸し出しが利用できる。これまで多くの遺児たちが希望をかなえてきた。

報道された取り組みは、より早い時期から支援を始めようと、今年度から、小・中学生の遺児を短期間、海外留学させる事業。報告会では、フィリピンに渡航し、現地の大学で英語を学んで帰国した震災遺児9人が、留学体験や支援の大切さを語った。

岩手県陸前高田市で被災し、母と妹を失った中3男子生徒は「英語は苦手でしたが、今回の留学で現地の子どもたちと英語で話すことで、もっと学びたいという意欲がわきました」と話していた。

冒頭で「素晴らしい企画だ」と表現したが、同育英会が支援の対象を小・中学生に拡大し、短期留学を取り入れた慧眼に、敬意を表したかったからだ。玉井会長は「親の死がきっかけで進学を諦めてはならない。この新しい事業をよいチャンスにしてほしい」と話していた。資金面で国民の幅広い援助を訴えたい。

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