(鉄筆)給与の大部分を財団に寄付し…

給与の大部分を財団に寄付し、月1千ドル強で生活。その質素な暮らしから「世界で最も貧しい大統領」の異名をとるウルグアイ前大統領のホセ・ムヒカ氏がこの4月、夫人とともに来日。その言動や姿が、質素とは正反対の暮らしに価値を置きがちな日本人に、大きな影響を与えたようだ。

そのムヒカ氏に、「強欲資本主義と決別せよ」と題する6月の特集号の一環として、文藝春秋が長時間インタビューを行い、同氏の真意を伝えている。題して「日本人への警告」。

1935年生まれの同氏は、若い日に独裁政権下でゲリラ活動に従事。4度の逮捕を経験した。最後の逮捕では、約13年にも及ぶ過酷な獄中生活を送った。同国の民主化とともに恩赦で釈放。その後、下院議員に当選。2010年には大統領に就任し、5年後に辞任した。

インタビューでは「日本は技術大国という印象があり、学ぶべきことは多い」「次代を担う若い人たちには、人生にとって、命ほど大切なものはない。この星に生まれた全ての人生が大切なのだ」「人生とは、些細なことでもそれが大切な意味をもつことがある。愛情を育むこと、子どもを育てること、友人をもつこと。そういう本当に大切なことに人生という限られた時間を使ってほしい」と話す。

「貧乏な人とは、少ししか物をもっていない人ではなく、無限の欲があり、いくらあっても満足しない人のことだ」。2012年、ブラジルのリオで開かれた国連会議で聴衆に向けて語りかけた言葉だ。味わい、噛みしめ、光明としたいメッセージである。

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