(鉄筆)保育士の野島千恵子さん(63)の実践が…

保育士の野島千恵子さん(63)の実践が、NHK総合テレビで放送されている「プロフェッショナル仕事の流儀」で取り上げられた。大阪市の幼保連携型認定こども園聖愛園の園長を務めている。年齢や能力が違う子どもたちを同じグループで行動させ、そこで起きるいろいろな問題を自分たちの力で解決できるよう導いていくというのが、園長の仕事の流儀。

障害の有無や発育の差を包含しながら行う「インクルーシブ保育」と命名されている。野島さんは日本の第一人者だという。現在、0歳から5歳までの約160人が通う大きな園で、保育士50人とともに、朝6時半から正午まで、つきっきりで対応している。

番組の中で目を見張ったのは、「子どもの中で、子どもは育つ」を貫き通す固い信念だ。5歳児をリーダーにして、7人から8人のグループを作る。子どもたち同士で助け合わせ、トイレなどの生活習慣を身に付けさせる。先生は極力手を出さず、自分たちで考えるよう促す。30年以上前からこの手法を実践してきている。

こうしたやり方に対して一部の親からは、発育が遅れるので年齢別に子どもを分けて保育してほしいとクレームがきた。だが、それでも野島さんは、子どもの力を信じて貫いてきた。

最後に「プロフェッショナルとは」と聞かれて、「先のことは誰にも分からないじゃないですか。でも今日とは違う、また成長した自分が明日にはきっとあるというふうに、強く信じられる人のこと」と答えていた。教育に携わる者にも、おおいに参考になる言葉だ。

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