(鉄筆)貧困家庭にある子どもの教育格差の…

貧困家庭にある子どもの教育格差の問題が深刻度を増している。厚労省の国民生活基礎調査(平成24年)によると、所得が平均的世帯の半分(年収122万円)に満たない家庭で暮らす18歳未満の子どもの割合を示す貧困率は、過去最高の16.3%、実に約330万人(6人に1人)にも上る。

この所得格差が教育格差につながっているとするのは、ユニセフ・イノチェンティ研究所の報告書(今年4月発行)。「底辺」の子どもが「中間」の子どもからどれほど取り残されてしまったかを「底辺の格差」と呼び、所得、教育、主観的な健康状態、生活の満足度の4分野で各国(OECDやEU加盟国)を順位付けした。

それによると、「底辺の格差」が日本は41カ国中8番目に大きく、深刻な事態だった。「ノルウエーをはじめ上位の国々では、最も厳しい状況に置かれた子どもでも『平均的』な子どもの6割程度の世帯所得で生活。日本ではそれが4割にも満たない」と分析。

貧困問題が教育格差など負の連鎖につながると、同様に指摘をするのは、日本財団の笹川陽平会長。「高卒者全体の大学などへの進学率は70%を超えるのに対し、生活保護世帯の子どもは31%と低く、経済格差が教育格差を生み、それが就業・収入格差、さらに次世代の貧しさにつながる貧困の連鎖も浮き彫りにしている」(産経新聞7月7日付「正論」)と。

文科省もこの問題を重視し、中教審を通して本格的な審議を始めている。根本的な解決を図るために、内閣全体で取り組んでほしい。貧困の連鎖を断ち切るために。

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