(鉄筆)OECDは2012年2月に…

OECDは2012年2月に「教育の公平性と質—恵まれない生徒や学校に対する支援」と題する政策提言を行った。「政府は恵まれない学校や生徒により多くを投資して、誰もが公平に機会を得られるようにすべきだ」と訴えた。「教育の公平性」を重視した提言として世界から注目された。

昨年12月発表のPISAでも「教育の公平性」の問題が取り上げられ、グリア事務総長はロンドンでの記者会見で、「貧しい生徒が成績下位者になる可能性は裕福な生徒より3倍高く、移民の生徒が成績下位者になる可能性は、移民でない生徒より2倍高い」と語った。

その上で「各国には、たとえ成績が上位だった国にも、改善の余地がある。若者の高失業率、広がる格差、著しい男女格差などの課題を抱え、社会全体に成長を行き渡らせる必要に多くの国が迫られている中で、あらゆる子供が可能な限り最良の教育を受けられるようにするために、さらなる取り組みが必要だ」などと述べている。

日本で危惧されるのは、相対的貧困率の問題。「子供の貧困格差の固定化」が「教育の公平性」を確保する上で阻害要因になっている。有効な手段が講じられず、手をこまねいていると、事態は悪化するばかりだろう。

同事務総長は「教育の公平性を高めることは、社会的公正の問題であると同時に、経済成長を刺激し、社会の団結を促進するものである」とも述べている。この指摘を参考に、着実に対策を実行する以外に手段はないだろう。日本はPISAで上位レベルにあると喜んではいられない。