(鉄筆)「HOGO NAMENNA」との…

「HOGO NAMENNA」との黄色のエンブレムを付けた揃いの黒ジャンパーを、神奈川県小田原市の生活保護担当の福祉事務所職員らが勤務中に着用していた。市は「不快な思いをさせ、深くお詫びする」と謝罪会見。ジャンパー着用を禁じ、関係者を厳重注意した。

ジャンパーの背には英文で、過剰な表現が確かにあった。生活保護受給者をはじめ、その家庭の子供たちへの新たな差別に発展しないかと危惧する。ただ、最近、積み重なった文脈を抜きに一方的に処断しがちな社会やマスコミの在り方にも危惧する。脅威を感じさせるこのジャンパーと、着用しての業務を擁護するものではないが、処断の熱が高じると、全体像が見えなくなってしまう。

同市では平成19年、生活保護受給を打ち切られた男性が、窓口で職員を切り付けた事件が発生している。こうした「悪」には決して退かないとチームを結成。その名がジャンパーのエンブレムと背に記された「SHAT」(生活・保護・悪撲滅・チーム)。

厚労省によると、昨年3月末までの1年間に、全国の生活保護不正受給件数は4万3938件。前年比917件増で過去最多。不正の内容は「働いて得た収入を申告せずに生活保護を受けていた」46%、「年金を申告しなかった」19%など。暴力団組員による不正もある。

行き過ぎたやり方は正さなければならない。同時に、不正受給をしっかり正さなければならない。生活保護が本当に必要な人にそれが届くように。そのために、重層的な問題を見通し、正していく姿勢をこそ大切にしたい。

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