(鉄筆)「東大は学力入試をなくせ」…

「東大は学力入試をなくせ」。文藝春秋3月特別号にこんなタイトルの対談が掲載された。ショッキングな表題にびっくりした。東大前総長の濱田純一氏と、国際基督教大学理事長で中教審委員を務めた北城恪太郎氏が対談者だったので、二重に驚いたが、その入試改革案には大いに興味がそそられた。

濱田氏が在任中に提唱した入試改革案は、秋入学と推薦入試など。秋入学の導入は教員の抵抗に遭い検討課題とされた。推薦入試は今年度から導入されている。大学入試センター試験を受け、論文などの成果物を提出し、面接を行い、それらを総合的に評価。100人程度を募集し「初年度の合格者は77人だった」という。

推薦入試制度の目的は「いかに多くの学生に、挑戦とイノベーションの気風を育てるか」で、「筆記試験の点数による一律の選抜をしている限り環境は変わらない」というのが濱田氏の主張だ。この制度を支持する北城氏は「そもそも筆記試験を重視する日本の大学入学者選抜制度は特殊。ハーバードやイエールなど欧米の一流大学に個別のペーパー試験は存在しない。大学側が見識を持ち、確固たるポリシーに基づいて学生を選ぶのが重要」と強調する。

日本の大学入試に1点刻みの網の目から抜けきれない現実がまだまだあるのは、事なかれ主義が横行しているためか。改革への意欲も情熱もないからか。

大学入試の在り方は高校以下の教育に必ず影響を及ぼす。改革を推し進める気概を、学校現場も含めて広く共有し、子供たちの未来への歩みを支えたいものだ。

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