(鉄筆)幼児教育の無償化が…

幼児教育の無償化が政治の表舞台に立った昨今であるが、その実現を後押しするような動きがあった。OECDがこのほど刊行した「教育の機会をすべての人に(Educational Opportunity For All)」と題する報告書で明らかにされた。

それによると、「恵まれない家庭環境にある子どもは、学校でも、またその後の人生における学習の機会でも、支援をほとんど受けられず、落ちこぼれる人が非常に多く、さらなる取り組みが必要」と指摘、その解決のカギは、幼児教育の重視であることを示唆した。

OECDのある研究官は、「教育、とりわけ幼児教育は、社会的不平等の高まりに対処する上で重要な役割を果たす。比較的貧しい人々でも自己実現を果たし、人生におけるチャンスをつかめるようにするための教育的な取り組みを強化する必要がある」と述べている。

教育における公平性を測る指標によると、「恵まれない環境にある人々に、より裕福な人々と同じ成功の機会を与えている」OECD加盟国は、エストニア、日本、韓国、オランダだけで、チリ、フランス、イスラエル、ポーランド、英国、米国などでは、社会的に恵まれている人々と恵まれていない人々の間に非常に大きな格差があるとのことだ。

その上で報告書は、「良質な早期幼児教育・保育への投資が、特に貧しい家庭の子どもに必要とされている」と結論付けている。幼児教育の無償化が待機児童問題の解消などに特化させるのではなく、あくまでも「教育の機会をすべての人に」との見地に立って議論してもらいたい。

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