(鉄筆)「世界最大のシンクタンク」と…

「世界最大のシンクタンク」と言われるOECD(経済協力開発機構、日本を含む約30カ国加盟)がこのほど、社会的に恵まれない環境にある生徒のPISA調査(国際学力調査)の成績の傾向と、一部の生徒の成績が他の生徒よりも良い理由を分析した「ワーキングペーパー」を発表した。OECDから出される教育に関する各種データは、世界と日本の状況を比較検討する上で貴重な情報を提供してくれているが、今回の「ペーパー」も今後の教育のかじ取りをする上で参考になる。

注目されるのは、「環境に恵まれない生徒が学業成績で立ち直れる可能性は、国によって、また教育制度によってさまざまで、こうした生徒が通う学校の質に左右される」とした上で、恵まれない生徒が成功できる学校環境に共通するいくつかの特徴を明らかにしている点だ。

一つは、「生徒が集中でき、教師が適切な指導を行っている秩序ある学級に所属することは、あらゆる生徒の便益になるが、特に、最も弱い立場にある生徒においてその利益は顕著である」という指摘だ。当たり前のような印象を与えるが、実現には困難を伴うのではないか。

もう一つは、「教師の交代が少ないこと、そして学校長が革新的なリーダーシップスタイルを取っている(学校の戦略的目標を追求するよう教師への動機付け)ことも良い学校環境に寄与する」という指摘だ。

これらの分析を通して実感できたことは、「教育とは、あくまでも個々の教師への信頼と学校長の指導力」。すなわち教育の質が問われることが再認識できた。