(鉄筆)作家で数学者の藤原正彦氏(お茶の水女子大学名誉教授)が…

作家で数学者の藤原正彦氏(お茶の水女子大学名誉教授)が『文藝春秋』3月特別号に「小学生に英語教えて国滅ぶ」という、刺激的なタイトルの教育改革論を展開している。副題に「一に国語、二に国語、三、四がなくて五に算数!」とあるように、国語教育の重視を訴えた内容で、読後、十分傾聴に値するとの印象を受けた。

藤原氏によると、これからの日本のリーダーは、大局観を持った「教養」ある人間の育成が必要で、そのためには、「初等教育の段階から自発的に本を読む子どもを育てるための教育改革をするしかない。そのためには、小学校で国語を徹底的に教え、本に親しむ土台を築くことである」と強調。具体的な改善策では、「通信簿に『読書』の欄を作り、成績は『よく読んでいます』と『もう少し読みましょう』の二つでよい」などと提案している。

一方、英語教育推進派には厳しい目を向けている。「推進派は、小学校で英語を学んだ方が、発音が良くなるなどと主張しているが、英会話など、大人になってから学習しても、十分できるようになる」と自らの体験談を披歴、「何よりも大事なのは、英語をどう話すかより、英語で何を話すかということだ」と述べている。

そして最後に、大学入試改革に言及。「教科書持ち込みを許せるような問題、すなわち、『真に考える力』と『教養』を持った学生こそがいい成績をあげられるような入試問題を全教科で作ってもらいたいものだ」と指摘した。これら改革案の具体化は、今後、現場の先生方の議論に委ねられていると言ってよい。