(鉄筆)教育の世界では、学習指導要領の…

教育の世界では、学習指導要領の改訂時期などに合わせて、新たな教育用語が登場し、その周知までに時間を要し、学校現場に混乱を招く事態が起こりがちだ。例えば、次期学習指導要領の改訂で登場する「学びに向かう力・人間性等」は、その象徴的な事例と言える。

新学習指導要領では、「育成すべき資質・能力」として、「知識・技能」「思考力・判断力・表現力等」「学びに向かう力・人間性等」の三つの柱が相互に関係し合いながら育成される考え方に立っている。その一つの柱である「学びに向かう力・人間性等」を理解できている現場の先生はどの程度いるだろうか。

文科省は、「学びに向かう力・人間性等」とは、「どのように社会・世界と関わり、よりよい人生を送るか」で、具体的には、「主体的に学習に取り組む態度も含めた学びに向かう力、自己の感情や行動を統制する能力、自らの思考のプロセス等を客観的に捉える力」「多様性を尊重する態度と互いのよさを生かして協働する力、持続可能な社会づくりに向けた態度、リーダーシップやチームワーク、感性、優しさや思いやりなど、人間性等に関する力」を挙げる。

このような説明を聞いても「分かったような、分からないような、迷路に迷い込んだ気分だ」との声もある。

同省は現在、学力調査に関する専門家会議を開き、「教科に関する調査をめぐる主要課題」を検討しているが、「学びに向かう力・人間性等」の対応で、質問紙調査をするかどうかで、「迷路に迷い込んだ状況」にあるようだ。このジレンマの克服も課題だろう。