(鉄筆)4月の入学時期になると、「小1の壁」…

4月の入学時期になると、「小1の壁」問題が注目されるようになる。「小1の壁」といっても、教育関係者以外の人たちには馴染みが薄い用語であるが、主に、「共働き家庭で、子供を保育園から小学校に上げる際、直面する社会的な問題」をこう呼んでいる。

一例をあげると、保育園では延長保育などで、ある程度遅い時間まで子供を預かってもらえるが、公的な学童保育では通常午後6時で終わってしまうところも多く、保育園よりも預かり時間が短いために、子供は、家で一人で過ごすことになる。

子供や高齢者の見守りサービスを展開する東京電力エナジーパートナー(株)(東京都)が今年4月に入学・進級する子供がいる共働きの親約300人に、新入学に関する不安を聞いたところ、約6割が「不安がある」と答えている。それほど深刻な事態なのだ。

この問題を抜本的に解決しようとする動きもある。大阪市である。同市は2018年度、小学1年生の子供がいる市内の親を対象とした実態調査を実施する。家庭と仕事の両立支援策につなげるのが狙いだ。共働き世帯の増加により、「小1の壁」の改善は急務で、市は数値化して状況を把握するという。

同市には、市が補助金を出す学童保育の施設数が約100カ所あり、一部で午後7時半ごろまで子供を預かる。放課後に小学校の空き教室を利用し、原則午後6時まで無料で子供を預かる事業も実施している。日本が福祉国家の道に進む意向があるのであれば、「小1の壁」を打ち破る政策と実行力が問われる。

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