(鉄筆)「本当の幸せって何ですか」…

「本当の幸せって何ですか」。こんな質問を受けるとドキッとする。答えはいろいろあり、どれも正解に思えるからである。「一つだけ言ってみて」と子供から言われると、ドキッが「うーん」に変わるのは浅学菲才だからである。小説『星の王子さま』で知られるサン=テグジュペリは、人間関係を挙げている。「本当のぜいたくというのは、たった一つしかない。それは人間関係に恵まれることです」(英語版拙訳)と。「特別の教科 道徳」を担う先生は一体どんなふうに答えるだろう。

『ブルーゾーン 世界の100歳人(センテナリアン)に学ぶ健康と長寿のルール』の著者ダン・ビュイトナー氏は、幸福な国には三つのpがあると文藝春秋6月号で述べている。pleasure(楽しみ)とpurpose(目的意識)、pride(プライド)だそうである。確かにこの三つのpがあれば、誰もが生き生きとするに違いない。長寿の人は人生を通じて三つのpを手に入れていると言われても、うなずける。ではどうやってpにたどり着けるのか。

哲学者のバートランド・ラッセルは、幸せになるには不幸の原因を理解しなければならないと説いた。論理哲学を極めただけあり、不幸を克服することが幸せへの道であると言う。抽象的な幸せというものよりは、具体的な不幸の種を除くことが大切であると解釈することができる。この視点に立てば、三つのpは、poverty(貧困)とpain(苦痛)、power(権力)になる。どれも子供に深く関わっている。

あなたへのお薦め

 
特集