(鉄筆)近年、若年層の間で、コミュニケーション手段として普及しているSNS…

近年、若年層の間で、コミュニケーション手段として普及しているSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)。先般、神奈川県座間市で、SNSを利用した高校生3人を含む9人が殺害された残忍な事件が発生するなど、SNS上の諸問題への対応が課題とされた。

そこで、文科省は昨年7月、いじめを含むさまざまな悩みに関する児童生徒の相談について、SNSを活用する利点・課題を検討するため、有識者からなるワーキンググループを設置。その内容を基にいじめ防止対策協議会で検討、今年3月28日に最終報告としてまとめた。この問題は、5月15日に開かれた中教審の初中教育分科会でも議論されたが、同省がいかにこの問題を重視しているかが分かった。

今後、課題として浮上するのは、相談体制の在り方ではないか。最終報告では、「音声による電話相談」と「非音声によるSNS相談」の効果的な組み合わせを指摘した上で、「例えば、『電話世代』の相談業務に関する知識・経験を有する者に加えて、『SNS世代』の学生、若年層によるコミュニケーション事情に精通した者を組み合わせた相談体制を整備する」としている。この政策は、相当困難が予想される。すでに昨年9月に実施された長野県による試行結果によると、児童生徒がSNSなどによる相談を音声通話に切り替えることは容易ではないと分かった。

同省が、この問題に真正面から取り組んだことは大いに評価できる。今後、各地で試行を積み重ね、効果的な政策に結び付けてほしい。