(鉄筆)世紀の米朝会談の会場となり、一躍有名になった…

世紀の米朝会談の会場となり、一躍有名になったシンガポール。子育て環境にも恵まれ、移住する世界の富裕層は多い。国際学力テストPISAで1位を総なめにする国としても知られる。

一方で、その評価を疑問視する提言が話題になっている。ジャーナリストの中野円佳さんが、日本最大級の提言型ニュースサイトBLOGOSに「日本人が持っている『シンガポールの教育』への誤解」と題して寄稿(6月16日)しているものだ。

同国には、「シンガポール人が通うローカルの教育」と「シンガポールにあるインターナショナルな教育」という、層が全く異なる2種類の教育がある。PISAの順位に寄与している公立の子供たちが通うのは前者だ。

その仕組みはこうだ。小学校卒業時に受ける試験で、その後進学するコースが決まり、ひいては大学か、日本でいう高専のような「ポリテク」に行くか、が振り分けられていく。非常に競争が激しく、親は教育熱心である。街中には幼児向けの算数や中国語の塾が散見されるほか、家庭教師も盛ん――とのことだ。

中野氏は、「こうした競争的な環境で試験の点数は高いものの、リスクをあまり取ろうとしない、イノベーション人材が育たない、若者に自信がないということなどが国内では課題となっている」と述べる。気になるのは、1カ月以内にいじめを受けた生徒の割合は、OECD平均18.7%、日本21.9%なのに対し、シンガポールは25・1%にも達している(PISA2015)。この「矛盾」をどう解決していくのであろうか。

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