(鉄筆)朝4時に起き、「おねがいゆるして」と…

朝4時に起き、「おねがいゆるして」と覚えたてのひらがなで訴えたにもかかわらず、殺されてしまった東京・目黒区在住の女児(5歳)の虐待事件(両親が保護責任者遺棄致死容疑で逮捕)は、近来にない衝撃的な事件だ。

こんな事件が起きた場合、常に気になるのは、子供の虐待への支援体制であるが、関係者によると、お寒い状況なのだという。日本小児科学会の推計によると、虐待で亡くなる子供は毎年350人程度(1日約1人)に達するが、児童相談所は常に「人材不足」の状況といわれている。

事件を受け、6月21日に「なくそう! 子どもの虐待プロジェクト2018」が発足したのは朗報だ。メンバーらが都内で記者会見し、「虐待死がない社会をつくっていくため、制度や法律、予算を変えたい」と訴え、児童相談所の体制強化など八つの政策を提案した。インターネットで賛同署名を呼び掛けたところ、反響は大きく、すでに10万件を超える署名があったという。

共同発起人(174人)は多彩で、研究者、医師、校長など多分野で活動する人材が参加した。児童相談所の人員増や常勤弁護士の配置のほか、児童相談所と警察の情報共有の検討、里親の増加支援など具体策をまとめるという。当面、国や都に対して、強く働き掛けていく方針だ。「児童虐待ゼロ」に向けた成果を期待したい。「児童虐待」の問題解決に当たっては、学校の役割も考慮に入れ、家庭―学校の連携を重視した方策を考えることも大切だと考える。