(鉄筆)「各地の学校で新学期が始まる中…

「各地の学校で新学期が始まる中、文部科学省は子供たちのランドセルなどが重すぎるという意見を踏まえて、宿題で使わない教科書などは教室に置いて帰ることを認めるよう、全国の教育委員会に対して求める方針です」。いわゆる「置き勉」を認める措置を行政が指示したことを報じた(9月3日、NHK総合)ものだ。

「置き勉」とは、登下校時の荷物を軽くするために、児童・生徒が教科書などを教室に置いて帰ること。「置き勉強道具」の略(「知恵蔵mini」解説)である。「脱ゆとり教育」への転換を図った2011年度以降、小・中学校で教科書の大判化やページ数の増加が進んだ。

当然、子供たちが毎日持ち歩く荷物の重量も増える。小学生のランドセルの平均的な重さは7.7キロもあるという。身体へのストレスも相当なものだ。「重すぎる」ランドセルや通学カバンが、子供たちの発育や健康に悪影響を及ぼす可能性があると、置き勉の解禁を求める声が次第に大きくなった。

そもそも学校が子供たちに置き勉を禁じるのは「自宅で勉強しなくなる」のが主な理由だった。ただ、肩に食い込むほどの勉強用具を持ち帰っても、帰宅した頃には疲労で学習意欲もそがれているだろう。

身体的な負担軽減以外にも置き勉で得られるメリットはある。いつ起こるか分からない事故や天災から身を守りやすくなり、持ち帰る、置いて帰る勉強用具を取捨選択することで計画的に考える力も身に付く。今回の通知発出が現状を変える一歩となるか、各学校の動きを見守りたい。