(鉄筆)「特別の教科」として……

 「特別の教科」として今年度から小学校で道徳が教科化され、中学校も来年度からの実施を控えている。教科としての道徳は戦前の「修身」教育から実に七十数年ぶりで、かつての道徳を巡る激しい反対運動を顧みると、隔世の感を禁じ得ない。「教科・道徳」は、順調な船出をしたといえよう。

 その折、格好の「参考書」が出版された。『誰が「道徳」を殺すのか 徹底検証「特別の教科 道徳」』(森口朗著、新潮新書)である。「道徳教育こそ国民性を表す」と考える著者(教育評論家)が、現在に至るわが国の道徳の歴史をたどりながら、教科化の問題点、いじめとの関連、各国の道徳教育事情などさまざまな視点から考察する。

 道徳教育に何を求めるのか。……

この記事は購読会員限定です。購読を申し込むと、続きをお読みいただけます。