(鉄筆)今年ほど自然災害に…

今年ほど自然災害に見舞われた年はないかもしれない。6月の大阪府北部地震、西日本を中心に被害が広がった7月の集中豪雨、震度7を記録した北海道の地震。9月末には台風24号が列島を縦断し、猛威を振るった。被害状況も明らかになってきているが、改めて学校での「防災教育」の重要性を再認識させられた。

思い浮かぶのは「津波てんでんこ」という言葉だ。「てんでんこ」とは各自のことで、古くから津波被害に遭ってきた三陸地方では「地震がきたら津波が来るから、各自で一刻も早く高台に逃げて、自分の命を守れ」という教えが受け継がれてきた。この教訓を基に避難訓練を重ねてきた岩手県釜石市内の小中学校では、東日本大震災の際に全児童生徒が素早く避難。生存率99.8%という成果を挙げて「釜石の奇跡」と呼ばれた。

文科省では10月からの組織再編に際して、文教施設企画部を文教施設企画・防災部に名称変更し、施設防災担当の参事官に機能を一元化した。大規模自然災害の被害が頻発する近年の状況を受け、学校の防災対策や災害時の対応を強化するためだ。

東京都内のある小学校長は、「1年のうち子供が学校にいる時間は15%にすぎない。家庭や社会で過ごす時間が圧倒的。発災時に、教師や保護者など、守ってくれる大人が周りにいるとも限らない。あらゆる自然災害に適合した防災策を講じる必要がある」と述べている。大規模災害時には一瞬の判断が生死を分ける。国と学校には子供の自立的な行動を促す、命を守る教育を求めたい。

【おわびと訂正】第2段落で「津軽てんでんこ」とあったのは、正しくは「津波てんでんこ」でした。訂正して、おわびします。

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