(鉄筆)日本のサービス業が……

日本のサービス業がいま、「悪質クレーム」という病魔に侵されつつある――。こんな状況をうかがわせる調査結果が明らかにされた。

産業別労働組合のUAゼンセンがこのほど、ホテル、コンビニ、スーパーマーケット、病院などで接客対応する人を対象に実施した調査(有効回答件数4万9876件)で、実に約7割が客や患者からの迷惑行為に悩んでいた。

具体例をみると、その常識外れの行為にあぜんとする。「約2時間一方的な要求を訴えられ、拒否したところ、ばか、低能、社会人失格など罵詈(ばり)雑言を浴びせられた」(百貨店)、「片手にナイフを持ちながら、暗黙で金品を要求する脅す行為を受けた」(家電関連)、「レジ袋、割りばしをおつけするのか聞いたら、『バカか、何で聞くのか!』と怒鳴られ、カゴごと投げつけられた」(スーパー)等々。

迷惑行為に遭遇した人の7割近くが何らかの言葉の暴力を受け、また割合は低いが、法に抵触する可能性のある「金品の要求」「暴力行為」「土下座の強要」も報告されている。こうした行為に全業種の半数以上が「強いストレスを感じた」と回答。

調査報告では悪質クレームが増えた背景に、消費者の地位向上や権利意識の高まり、社会全体の疲労と不寛容化などがあると分析。迷惑行為を働く大人が子供たちの目にどう映っているかが気になる。対策として企業の組織体制の整備や消費者の意識改革を挙げているが、「教育」を通じた子供たちへのアプローチも、共生社会の実現に向けて必要となろう。