(鉄筆)先日公表された問題行動調査によると……

先日公表された問題行動調査によると、2017年度に小・中・高校から報告のあった児童生徒の自殺者数は250人だった。これはアイドル歌手の飛び降り自殺以降、青少年の群発自殺が起こった1986年以来の多さである。全体の自殺者数が減少傾向にある中でも、児童生徒の自殺は減っていない。

自殺した児童生徒が対峙(たいじ)していた問題には「進路問題」「家庭不和」「えん世」に加え「いじめ」もあった。だが半数以上は「不明」。理由を明かさぬまま世を去ってしまった子の親の心情を思うと胸がふさぐ。

政府は17年7月に自殺総合対策大綱を閣議決定し、今年1月には自殺予防教育の推進を求める通知を文科・厚労両省の連名で発出。その具体的な取り組みについて、11月19日の調査研究協力者会議の初会合で協議された。

中心議題は「SOSの出し方に関する教育の推進」。保健師・社会福祉士の活用や相談窓口の周知、心の危機に陥った友人への関わり方などを児童生徒に教えられているか、取り組み状況について審議した。しかし、SOSを出せば悩みを抱える子供を本当に救えるのか。

子供が思いきってSOSを発信したとしても、周囲の大人がそれに気付く感受性を持ち合わせていなければ、子供は理解してもらえないという思いでかえって失望するのではないか。また、気付いたとしても子供の複雑な心情をくみ取らずに対応すれば、傷がさらに深くなる可能性もある。誰にも悩みを打ち明けぬまま自殺する子供を出さぬために、まず変わるべきは大人ではないか。

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