(鉄筆)高校職員が生徒と酒を飲んで……

高校職員が生徒と酒を飲んで車を運転し、同乗した生徒2人に重軽傷を負わせる事故を起こしたという、信じられない一報があった。福島県教委が3日、記者会見で経緯を発表した。

生徒が通っていたのは県唯一の水産・海洋系高校で、職員は実習船の2等機関士だった。航海実習の打ち上げと称して、生徒3人と2日の午前3時ごろまで居酒屋やカラオケで飲酒し、うち1人を送り届けた後に事故を起こしたという。生徒の1人は腰の骨を折る重傷、職員ともう1人の生徒もけがを負った。職員の呼気からは基準値を超えるアルコールが検出された。

職員と生徒らは9月から11月の2カ月間、「打ち上げ」を催すきっかけとなった遠洋航海実習に出ていた。実習とはいえ一度洋上へ出れば命がけだ。緊張の連続の中で行われる訓練がいかに厳しいものであるか想像に難くない。

そのような環境下、実習を共にした生徒や職員が強い絆で結ばれるのも当然だろう。無事帰港できたことを祝って、船上での出来事を語り合う機会があってもいい。しかし、それが酒のある場であれば話は別だ。

職員も生徒も、船の上で共に励まし信頼し合う関係を築いていたとしたら、通常の学校生活では得がたい関係性だろう。酒を飲まずとも絆は深められたはずだ。安易に酒を介在させたのは職員の未熟さとしかいいようがない。

未成年の飲酒や飲酒後の運転に寛容な時代があったのは確かだが、いつも許していたのは大人だ。もはやそういう時代ではないことを全ての大人は肝に銘じなければならない。