(鉄筆)この10~20年ほどの間に…

この10~20年ほどの間に、人間の仕事の半分がロボットに奪われる――英・オックスフォード大のマイケル・A・オズボーン准教授が衝撃的な論文を発表した2014年以降、「消える職業」を巡る論議がかまびすしい。15年末には野村総合研究所が同教授との共同研究から「日本の労働人口の49%がAIやロボットで代替される」という推計を発表し、日本人の不安をさらにかき立てることとなった。

「消える」とされている職業には、ルーチン化できる仕事はもちろん、スポーツの審判、動物のブリーダーなど瞬時の判断や、微細な動作を求められるものも含まれる。まさかと思っても、すでにロボットが働くホテルが何店舗も存在し、レジのセルフ精算は珍しくなくなった。未来の「脅威」はすぐそこまで来ている。

教育に関してもEdTech市場の成長ぶりは目覚ましい。オンライン講座で蓄積した受講者のビッグデータを解析することで、学びの質を高める試みも進んでいるという。ロボットやコンピューターで学べる時代、教師の仕事もやがて「消える」のだろうか。

単純に知能を高める学習であれば機械で代替できるだろう。ただ、機械は学びの楽しさまでは教えてくれない。これから生きていく上で必要となる、協調性や感情をコントロールする力も授けてくれない。大人になったときに、ふと思い出し心が温かくなるようなやりとりもない。

代替可能な部分は機械の活用が進むだろうが、教師という仕事は今後も存在するはずだ。人間を育てるのは人間にしかできないのだから。

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