(鉄筆)マッチ・ニッカネン氏の訃報を……

 マッチ・ニッカネン氏の訃報を目にした。彼に付けられた「鳥人」という敬称と共に、忘れられない名の一つだ。フィンランドのノルディックスキーのジャンパーで、冬季オリンピックでは84年のサラエボ、88年のカルガリーに出場した。カルガリーでの3冠を含み、この2大会で金メダル4個と銀メダル1個を獲得している。当時まだ25歳の若さであった。ワールドカップでは81~89年に当時の最多記録となる個人通算46勝を挙げ、4シーズンで総合優勝を果たしている。

 とにかく強かった。飛べば勝っていた。日本人は全く歯が立たなかった。なぜ、日本人は勝てないのかと残念がったことを覚えている。彼のすごさは日本人の記録と比較してみると分かる。日本人のジャンプ男子のW杯勝利数はレジェンドと言われている葛西紀明選手が17勝、船木和喜選手が15勝、原田雅彦選手が9勝であることからもそのすごさがわかる。このようなすごい選手が日本にも現れてほしいと期待したが、一時の活躍はみられても、ニッカネンのような選手は残念ながら現れなかった。

 ところが、昨年から超一流に肩を並べるジャンパーが現れた。……

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