(鉄筆)「社会に開かれた教育課程」を…

「社会に開かれた教育課程」を掲げる今回の学習指導要領の改訂では、社会とのつながりを意識した「生きる力」の育成を重視している。学校現場では現在、新学習指導要領の趣旨に基づいた授業の質的改善が盛んに行われている。特に、三つの柱として整理された資質・能力を育むため「主体的・対話的で深い学び」を成り立たたせる学習活動として子供たちの話し合い学習を取り入れている。だが、残念ながら何のための話し合いなのか不明の場合が多い。話し合うこと自体が目的となっている。

3月初旬に都内の中学校を会場にして「全国中学校生徒地域研究発表会」が行われ、東京都、鳥取県、香川県、岡山県の中学校が参加していた。会場には学校関係者と共に多くの保護者も参加していた。

テーマには、都市近郊の農業の変貌、身近な海域のプラスチックごみによる汚染問題、大規模水害広域避難計画など、現代社会が当面する課題を取り上げていた。いずれのテーマも生徒が日頃から関心を持っていた事象であることから、生徒による主体的な調査・研究が行われていた。研究成果の発表からは仲間と協力する大切さや学校外の人々の協力を得る重要性を聞き取ることができた。

社会とのつながりを意識した「生きる力」を育むには、学習環境を整えることで可能となるが、幸い中学校では「総合的な学習の時間」を活用できる。この時間を核としたカリキュラム・マネジメントによって各教科等の「主体的・対話的で深い学び」を目指す授業の質的改善に取り組みたい。