(鉄筆)神戸市立中3年の女子生徒が……

神戸市立中3年の女子生徒が2016年に自殺した問題で、「神戸市いじめ問題再調査委員会」が4月16日にいじめを自殺の要因と認定する報告書を出した(「調査報告書(概要版)」)。市の教育委員会が設けた第三者委員会は17年8月にいじめ行為を認定したが、自殺の原因は不明としていた。その後、同級生らがいじめの内容を記したメモを教育委員会担当者らが隠蔽(いんぺい)していたことが発覚。遺族らの要望を受け、市の再調査委員会が改めて関係者から事情を聞くなどした調査結果の報告である。

教育委員会が設置する第三者委員会の報告が問題となるのは今回だけではない。第三者とは「当事者以外の人、その事柄に直接関係していない人」(広辞苑第七版)をいう。今回、市教委の第三者委員会のメンバーが明らかにされていないなど、委員会の独立性や第三者性を尊重する事務局としての教委の役割が明確ではなかったことが指摘されている。結果的に調査や教育委員会への信頼が損なわれた。

市の再調査委員会は第三者という立場で「公平」「中立」の視点で先入観なく事実調査に徹することなどを確認。委員会発足後早い段階で兵庫県弁護士会所属の弁護士2人を調査員として選任して新たな調査やとりまとめを依頼するなど、第三者委員会や事務局の在り方の模範を示した報告となっている。

今回の報告書には、保護者や中学生へのメッセージも付記されている。いじめ問題の複雑性やその解決に向けた取り組み方を考える際の的確な事例報告でもある。多くの人に読んでもらいたい。