教員採用試験の最新動向【時事対策】

教員採用試験で参考書や問題集だけでは対応できないのが「時事対策」。

特に筆記試験での教育時事対策は難しく、教員採用試験対策の「鬼門」とも言われます。

そこで、実際にどのようなことが問われ、どのような教育時事対策が必要となるのかを解説していきましょう。

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「鬼門」は教職教養の「教育時事」

筆記試験(専門教養・教職教養・一般教養)のうち、時事的な問題が出されるのは教職教養と一般教養試験です。

出題状況は自治体によって異なり、時事的な問題を頻繁に出す自治体もあります。

教職教養の時事問題は「教育時事」と呼ばれ、対策が難しく、教員採用試験対策の鬼門の一つと言われています。

具体的に、どんな領域から問題が出ているかを見ていきましょう。

(1)新学習指導要領に関わる問題

2017年3月に小中学校、2018年3月に高校の新しい学習指導要領が告示されました。これら新学習指導要領についての問題が、2018年度実施試験では多くの自治体で出されました。

その多くは、学習指導要領本文の一部を抜粋した「空欄補充問題」ですが、一部では内容の正誤を問う「正誤判定問題」を出した自治体もあります。

また、新学習指導要領の基となった中央教育審議会答申「幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善及び必要な方策等について」や学習指導要領「解説」、「改訂のポイント」から出題した自治体もあります。

  • 文部科学省「新学習指導要領」
  • 中央教育審議会「幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善及び必要な方策等について(答申)」(2016年12月)
  • 幼稚園教育要領、小・中学校学習指導要領等の改訂のポイント

(2)文部科学省の通知

教育行政の円滑な運営のため、文部科学省から教育委員会や学校に向けて「通知」というものが日々出されています。

教員採用試験では、これら通知の中から出題されることがあります。

毎年、文部科学省から出される通知の数は相当数に上りますが、出題される通知はある程度限られているので、的を絞って対策することが大切です。

【頻出の通知】

  • 文部科学省「特別支援教育の推進について」(2007年4月)
  • 文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について」(2016年9月)
  • 文部科学省「体罰の禁止及び児童生徒理解に基づく指導の徹底について」(2013年3月)
  • 文部科学省「性同一性障害に係る児童生徒に対するきめ細かな対応の実施等について」(2015年4月)

(3)中央教育審議会の答申

中央教育審議会とは、教育行政の重要施策について審議する有識者会議です。

審議結果は「答申」として示され、ここに書かれたことを踏まえて法改正などが行われ、教育制度の新設や刷新などが行われます。

教員採用試験では、これら答申から出題する自治体が少なくありません。出題される答申は、ある程度限られているので、通知と同じく的を絞って対策することが大切です。

【頻出の答申・報告】

  • 中央教育審議会「今後の学校におけるキャリア教育・職業教育の在り方について」(2011年1月)
  • 中央教育審議会「共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システム構築のための特別支援教育の推進」(2012年7月)
  • 中央教育審議会「これからの学校教育を担う教員の資質能力の向上について ~学び合い、高め合う教員育成コミュニティの構築に向けて~」(2015年12月)
  • 中央教育審議会「チームとしての学校の在り方と今後の改善方策について」(2015年12月)
  • 中央教育審議会「学校における働き方改革に係る緊急提言」(2017年8月)

(4)文部科学省から公表される調査統計

文部科学省では、学校教育の現状を把握するために、さまざまな調査を実施しています。これら調査データから、出題する自治体もあります。

出題率は高くありませんが、いじめや不登校、学力に関わる調査結果は、論文や面接でも必要となってくる知見なので、押さえておく必要があります。

【頻出の調査統計】

  • 文部科学省「平成29年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について」(2018年10月)
  • 国立教育政策研究所「平成30年度 全国学力・学習状況調査 報告書・調査結果資料」(2018年8月)

(5)教育振興基本計画

教育行政における2018年度~2022年度までの5年間の計画を示した「第3期教育振興基本計画」が、2018年6月に公表されました。

2018年度実施試験には間に合いませんでしたが、2019年度以降に実施される教員採用試験では、出題される可能性があります。

この計画を受けて各自治体が策定する教育振興基本計画も含め、目を通しておく必要があります。

【関連】

  • 「第3期教育振興基本計画」(2018年6月)

なお、筆記試験の問題は、どの自治体も3月末頃までに完成しています。

そのため、4月以降に出される教育時事から出題される可能性は、ほとんどないと言ってよいでしょう。

押さえたい教育時事
【関連】特に押さえておきたい教育時事を専門家が解説。
自治体で異なる一般教養の一般時事」

一般教養の時事問題(一般時事)ついては、出題する自治体と出題しない自治体とに分かれます。

まずは、自身が受験する自治体の過去問をチェックしてみてください。

出題する自治体において、よく出されるのは以下のようなニュース・トピックです。

【よく出される主なニュース・トピック】

  • 世界遺産の登録地
  • 日本人ノーベル賞受賞者
  • 芥川賞・直木賞受賞者
  • 国際的な会議・条約・協定
  • 宇宙開発関連
  • オリンピック開催地
時事対策で説得力のある論文を書こう

論文試験においても、時事的な話題は押さえておく必要があります。

例えば、2018年実施試験では、教育時事について問う以下のような出題がありました。

【2018年度の論文試験で問われた時事】

  • 新学習指導要領(「主体的対話的で深い学び」など)
  • チーム学校
  • 第3期教育振興基本計画

直接的に「新学習指導要領」や「チーム学校」などを問う問題でなくても、教育時事についての理解は必要です。

例えば、「学力」に関連する出題の場合、新学習指導要領の「主体的・対話的で深い学び」に触れて書くことができれば高く評価されます。

いじめや不登校などの出題であれば、文部科学省の調査結果なども示しながら書くことができれば、同じく高く評価されます。

時事対策で面接官を納得させよう

面接試験においても、論文試験と同様、教育時事について問われることがあります。

以下は、2018年実施試験において、実際に出された質問例です。

【2018年度の面接試験で問われた時事】

  • 新学習指導要領(「社会に開かれた教育課程」「カリキュラム・マネジメント」「主体的・対話的で深い学び」)にどう取り組むか
  • 「チーム学校」にどう取り組むか
  • 「性同一性障害」の児童生徒にどのような配慮をするか
  • 「部活動ガイドライン」についてどう思うか

いずれも、文部科学省や中央教育審議会から出された答申・資料などを踏まえた回答が求められます。

このように、教育時事については、筆記試験で出題されない自治体においても、論文試験や面接試験に向けて対策が求められます。

日頃から教育ニュースに目を通すなどして、国や自治体の動向にアンテナを高くしておきましょう。

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