*教員採用試験/教員採用ジャーナル

月刊『教員養成セミナー』前編集長 教育ジャーナリスト 佐藤 明彦

「一般選考」で受験する場合、避けて通れないのが筆記試験です。論作文や模擬授業は、自治体によってあったりなかったりしますが、筆記試験は全自治体の1次選考で課されています。一般選考で受験する人は、試験対策の7割くらいを筆記試験対策に費やすものだと考えた方がよいでしょう。 筆記試験対策は、問題集と参考書をベースに進めていくことになりますが、その前に必ずやってほしいのが過去問分析です。これをやらないまま、問題集や参考書に着手すると、多大なロスが生じることになります。 筆記試験は、大きく「一般教養」「教職教養」「専門教養」の3分野に分かれ、いずれも自治体によって出題傾向が異なります。……

受験者が1万人以上減少

今夏に実施された平成31年度公立学校教員採用試験の1次選考実施状況を本紙調べで集計した。 全国69県市のうち、約7割以上の県市で1次選考合格倍率(総受験者数÷総合格者数)が下がった。前年より大幅に低下したのは山形県(今夏2.1倍、△0.6ポイント)、福島県(3.3倍、△0.8ポイント)、東京都(1.6倍、△0.6ポイント)、佐賀県(2.0倍、△0.6ポイント)、熊本市(1.9倍、△1.0ポイント)、鹿児島県(3.0倍、△0.7ポイント)など。 1次受験者は14万2221人で前年より1万1863人減少(鳥取県は西日本豪雨による日程変更のため除外。福岡市は昨年度受験者数非公表のため志願者数で計算)。……

8月、文科省から2018年度の「学校基本調査(速報値)」が公表された。学校教育の全体像を統計の面から捉えることは教採対策においても重要である。 文科省では、学校教育行政に必要な学校に関する基本的事項を明らかにすることを目的として、主に幼稚園、小学校、中学校、高校、特別支援学校などを対象に毎年、学校数、在学者数、教員数、卒業者数、進学者数、就職者数などを調査している。 少子化が急速に進んでいるのは周知の事実であり、学校教育のあらゆる面にも影響を及ぼしている。……

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テーマ
家庭学習の習慣がついていない児童にどのように対応しますか。
○回答
◯高学年の児童を想定して申し上げます。まず、その子に応じた指導をします。学習態度や習熟度が高まれば家庭学習への関わり方も改善されると考えます。楽しく活動できる場面構成を工夫して、学校での学習のやる気や理解度を高めるための学習支援に努めます。その上でその子にできそうな課題をさせます。次に、どのようにするのか方法を決めて下校させ、その結果を見守ります。補充の課題だけでなく、内容についても選択できるようにして、やる気を促します。提出した課題については赤ペンを入れて評価し、発表の機会も持ちます。本人にはやればできることを認めて、励ましながら継続できるようにします。 さらに、その変容を家庭に報告して、励ましの声掛けをお願いします。
[コメント]
◯これは視点を明確にした回答になっています。発達段階と個に応じた対応を述べています。特に、実態に応じた対応に独自性が見られます。学習習慣が身に付かない原因を家庭だけに押し付けていません。教師自身の授業改善をしながら、その子の意欲や理解を深めようとしています。
×回答
×家庭学習をした表を作り、自覚を促すきっかけを作ります。……

学習指導要領の変遷については、筆記で問われることが少なくない。また変遷を学ぶことは、戦後の教育課題を学ぶことでもあり、教師の素養としても必要である。これまでの学習指導要領の基本方針の変遷を見てみよう。 学習指導要領は、昭和22年に試案として初めて出されている。その後、何回改訂されているのか。昭和33~35年、昭和43~45年、昭和52~53年、平成元年、平成10~11年、平成20~21年の6回であり、今回の平成29~30年の改訂で7回目となる。時代の進展に伴う社会の変化などに対応して、ほぼ10年ごとに改訂されている。 各改訂における基本方針は次の通りである。……

帝京科学大学教育人間科学部教授 釼持 勉

今夏の教員採用試験倍率低下の状況を前回示した。ここに至るまでの経緯を明らかにしておきたい。
(1)人材育成が滞っている
教員の大量退職、大量採用時代を迎えて久しい。その中で「若手が若手を育成する」「指導体制の未確立」「教職に就いて間もなく退職」などの課題が改善されない。人材育成を担当する教員層が薄く、行き届かない状況も散見される。
(2)大学の出口論が明確にされていない
教員養成系大学はもとより、採用試験の合格が第一の目的となり、4月には教壇に立つ者を育成する感覚に乏しい。初任者は「学級経営が分からない」「学級をまとめるとは」「最初の保護者会では何をすればよいか」など多くの課題を抱えている。大学における教員養成のビジョンが問われている。
(3)教育委員会の入り口論は明確にされているか
教員採用・配置が主要目的であるが、4月に着任するまでの研修の在り方に工夫が求められる。……

月刊『教員養成セミナー』前編集長 教育ジャーナリスト 佐藤 明彦
ウォーミングアップ編の第1回でも解説したように、教員採用試験を初めて受験する人は、遅くとも前年の10月ごろには対策をスタートさせたいところです。試験本番まで約10カ月・300日間が、勝負の時期となります。 合格者に共通しているのは、試験対策のマネジメントが、きちんとできている点です。どの時期に何をするのか、きちんと計画を立てて遂行し、必要に応じて軌道修正を図れている人が、合格を勝ち取っています。最近、学校教育の重要ワードとして「PDCAサイクル」がよく出てきますが、教員採用試験対策においても「PDCA」を回すことが大切なのです。 筆記・面接・論文の中で、最初に着手したいのは、筆記対策です。……

月刊『教員養成セミナー』前編集長 教育ジャーナリスト 佐藤 明彦
教員採用試験の競争倍率が下がっている――。そんなうわさを耳にした人も多いでしょう。確かにここ数年、緩やかな低下傾向にあり、2017年度実施試験では4.6倍(全受験区分平均・教育新聞社調べ)と、過去5年で最も低倍率となりました。18年度実施試験の最終倍率はまだ分かりませんが、さらに下がる可能性もあります。 しかし、この情報だけで「合格しやすくなっている」と早合点してはいけません。全体としては低下傾向にあるものの、状況は自治体や受験区分によって異なるからです。実際、横浜市や滋賀県のように、10年前と比べても平均倍率が顕著に上がっている自治体もあります。こうしたデータは、文科省が「公立学校教員採用選考試験の実施状況」として公表しているので、ホームページ上で確認してください。 気になるのは19年度実施試験の倍率がどうなるかです。……

今夏の教員採用試験が一段落した。多様な面接試験が実施されたが、どのようなものがあるのか、概要を見てみよう。
早くから練習に取り組もう
■面接は必ず実施される
まず、どのような面接が行われたかを見てみよう。どの自治体も個人面接は実施し、他に集団面接、集団討論、模擬授業、場面指導、グループ活動などの中から2種類程度を実施している。 面接試験は2次試験で行われるイメージがあるが、現在では1次、2次共に導入している自治体が目立つ。1次で集団面接を実施している自治体もあるので、筆記試験だけではなく、面接対策をきちんと実践しておかなくてはならない。……

eye-catch_1024-768_kamiya2017kei塾主任講師 神谷正孝

 皆さんこんにちは。仙台を拠点とする教員採用試験対策専門スクールkei塾(http://www.kei-juku.jp/)主任講師の神谷です。今年受験されている方は、2次試験が終わった方もいらっしゃると思います。試験対策、本当にお疲れさまでした。これから受験を考えている方、1次対策としてこのコンテンツを利用している方は来夏の試験に向けて計画的に取り組んでいきましょう。今回取り扱うテーマは、7月末に公開された学力テストの結果についてです。これは採用試験では必須テーマです。  最近の採用試験における傾向を見ると、ご当地型にシフトしてきています。すなわち、全国的な傾向よりも、「わが県の傾向」を重視するということです。全国的な学力テストが復活し、10年たちましたが、各自治体における取り組みも盛んになっています。比較的多いのが、予備テスト的な試験を課している自治体です。独自のデータを収集し、弱点を把握し、強化に努めるという形態で、さまざまな自治体で行われています。自分が受験しようとしている自治体の学力の状況はどのようなものか、どんな点に課題があるのか、課題の克服に向けてどのような取り組みをしているのか、などは要確認事項です。  さて、「学力」を語るとき、重要なのはその捉え方です。……